【世間知らず?】学者のイメージと現実、そしてZ世代への影響とは

「学者」と聞くと、どんなイメージを持つだろうか?白衣を着て実験?難しい本に囲まれている?それとも、世間知らず?

学士会YELL主催のシンポジウムで、関西学院大学・加藤雅俊氏、立命館大学・中原翔氏、東京大学・舟津昌平氏の3名による出版記念講演会が行われた。本記事では、『Z世代化する社会』の著者・舟津氏の講演内容を元に、学者のイメージと現実、そして現代社会への影響について探っていく。

象牙の塔に閉じこもる? 学者が「世間知らず」と言われる理由

「学者=世間知らず」というイメージは、決して少なくないだろう。では、なぜそのようなイメージを持たれてしまうのだろうか?

舟津氏は、学者自身にも責任の一端があると指摘する。学者の世界は、ともすれば閉鎖的になりがちだ。専門分野以外のことには無関心で、世間との接点を自ら断っているように見えることもあるかもしれない。

もちろん、すべての学者がそうではない。しかし、世間との隔たりを感じさせるような言動が、学者のイメージを固定化させている可能性は否定できない。

Z世代と学者の意外な共通点?! 現代社会における学者の役割とは

では、現代社会において学者はどのような役割を担うべきなのだろうか?舟津氏は、自身の著書『Z世代化する社会』を例に挙げながら、学者のあるべき姿を提言する。

同書は、インターネットやSNSの普及により変化する価値観や行動様式について、Z世代を軸に分析したものである。しかし、一部からは「世間知らずの学者が書いたもの」「ゆとり世代だから仕方ない」といった批判も寄せられたという。

舟津氏は、こうした批判に対し、真摯に耳を傾けながらも、自身の分析の意義を改めて強調する。Z世代は、従来の価値観にとらわれず、多様な価値観を受け入れる柔軟性を持つ。それは、閉鎖的なイメージを持たれがちな学者こそ、見習うべき点なのかもしれない。

学者は社会との懸け橋に! わかりやすく発信する重要性

現代社会において、学者は専門知識を深めるだけでなく、それを社会にわかりやすく発信する役割も担っている。舟津氏は、自身の経験を踏まえ、学者が社会との懸け橋となることの重要性を訴える。

学術的な知識を、一般の人にも理解しやすい言葉で伝え、社会に還元していくこと。それが、現代社会における学者の重要な役割と言えるだろう。

[【世間知らず?】学者のイメージと現実、そしてZ世代への影響とは

学者の役割について熱く語る舟津氏 (写真:bee/PIXTA)]

舟津氏の講演は、学者に対するイメージを覆す、示唆に富んだ内容であった。学者が社会とどのように関わっていくべきか、改めて考えさせられる機会となった。