新車でクルマを買った人にやがてやってくるのが、7年目の3回目の車検。今回は、車検の時期が近づいていると相談者が夫に伝えたところ、「いつものディーラーに出しておいたよ」とあっさり返答したとのこと。車検の見積もりは約15万円。思わず「高くない?」と聞くと、ディーラー信者の夫は「安心だから」の一点張りで聞く耳を持たなかったそうです。
ディーラーに勤務していた筆者からすると、確かにディーラー車検には信頼性があります。しかし、本当にそれが一番の選択肢なのか、ということをディーラーから離れた現在、感じています。そこで本記事では、ディーラー車検のメリット・デメリットを見直しつつ、ほかの選択肢や費用を抑えるコツについて紹介します。
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ディーラー車検=高い、は本当か?
一般的にディーラー車検は割高といわれがちであり、実際に世間のイメージ通り高いです。工賃単価と呼ばれる1時間あたりの基本料金が高いため、整備費がほかの整備工場などと比べると高くなります。また、メーカー純正部品を使うため、部品代も高い傾向にあります。
このため、街の整備工場や車検専門チェーンと比べると、車検にかかる費用はディーラーのほうが高くなってしまいます。しかし、「高い=損」とは限りません。ディーラーならではのメリットもあることを知っておくと良いでしょう。
ディーラー車検のメリット
ディーラーで車検を受けるメリットは、以下の点が挙げられます。
■メーカー純正部品の使用
純正部品は、社外品と呼ばれる汎用(はんよう)品と比べると価格が高めですが、品質と耐久性が保証されています。7年落ちのセレナのような車では、重要な部位の部品交換が発生することもあり、信頼できる部品で整備するのは大きな安心材料でしょう。
■メーカー教育を受けた専任スタッフによる整備
ディーラーの整備士は、メーカーの車種ごとの構造や弱点を熟知しており、トラブルの早期発見や的確な整備が期待できます。経験値と情報の蓄積という点では、街の整備工場と比較しても強みといえるでしょう。
■整備記録の一元管理と履歴の可視化
車検や定期点検の履歴が1つのディーラーに集約されているため、整備の重複や見落としを防げます。車の状態を時系列で把握できるため、今後のメンテナンス計画も立てやすくなります。車に詳しくない人の場合、履歴から判断できる場合もありますので、1カ所に整備を集中させることはメリットです。