ハマス幹部、徹底抗戦を表明 – ガザ戦闘1年、長期化の様相

イスラエルとハマスの戦闘が続く中、ハマスの政治部門幹部が共同通信の取材に応じ、徹底抗戦を続ける構えを示しました。ガザ戦闘は発生から1年が経過し、甚大な被害が出ていますが、幹部は「後悔はない」と強調。停戦交渉での譲歩を拒否し、戦闘は長期化する様相を見せています。

ハマス幹部「奇襲攻撃はパレスチナの大義を忘れないため」

カタールの首都ドーハで取材に応じたハマスのホサム・バドラン氏は、昨年10月のイスラエルへの奇襲攻撃について、「パレスチナの大義を忘れないため」だったと主張しました。バドラン氏は、パレスチナの独立国家樹立という目標が国際社会から忘れ去られようとしていたこと、イスラエルによる占領下で多くのパレスチナ人が苦しんでいることを訴え、奇襲攻撃は占領への抵抗運動として必要だったと説明しました。

「後悔はない」 ハマス幹部、戦闘継続の構え

イスラエルとの戦闘でガザは甚大な被害を受け、多数の犠牲者が出ていますが、バドラン氏は「後悔はない」と断言。「パレスチナ人は何十年もの間、占領下に置き去りにされてきた。人々は殺され、家を破壊された。10月7日に至ったのは自然な流れだ」と述べ、占領からの解放という目標のために戦闘を継続する構えを示しました。

イスラエル軍の攻撃後に立ち上る煙イスラエル軍の攻撃後に立ち上る煙

ガザ南部ハンユニスでイスラエル軍の攻撃後に立ち上る煙(2023年8月撮影)

ハマス、長期戦を見据えゲリラ戦を展開

バドラン氏は、現在の戦闘状況について、イスラエル軍はハマスの軍事能力を過小評価していると指摘。ハマスは依然として軍事能力を維持しており、長期戦を見据えたゲリラ戦を展開していると説明しました。また、武器はガザで製造されており、ハマスには長期にわたり戦闘を継続する能力があると強調しました。

ガザ戦闘の長期化、停戦交渉は難航か

ハマスの徹底抗戦の姿勢を受け、ガザ戦闘は長期化する様相を見せています。イスラエル側にも歩み寄る動きはなく、停戦交渉は難航が予想されます。

カタールで取材に応じるハマスのホサム・バドラン氏カタールで取材に応じるハマスのホサム・バドラン氏

カタール・ドーハで取材に応じるハマスのホサム・バドラン氏(2023年10月2日撮影)

ガザ戦闘は、中東地域の不安定化に拍車をかけるだけでなく、国際社会全体に大きな影響を与える可能性も秘めています。一日も早い停戦と、根本的な解決に向けた国際社会の取り組みが求められています。