兵庫県川西市立多田小学校の挑戦! 「学年担任制」と「午前授業」で変わる学校の姿

「先生って大変そう…」「授業時間が短い方が集中できるかも!」

誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか? 今回は、そんな学校生活に新しい風を吹き込む、兵庫県川西市立多田小学校の取り組みをご紹介します。

教員の負担軽減と児童の自律を両立する「新教育課程」とは?

2023年度より、多田小学校では従来の「学級担任制」を見直し、「学年担任制」「教科担任制」「40分授業午前5時間制」を組み合わせた新しい教育課程をスタートさせました。

兵庫県川西市立多田小学校の挑戦! 「学年担任制」と「午前授業」で変わる学校の姿
写真:多田小学校の教室の様子。児童たちは生き生きと授業を受けている。

この改革の背景には、教員の負担増加や働き方改革、そして子どもたちの自律性を育む教育の必要性など、様々な課題意識がありました。

多田小学校の「新教育課程」導入のきっかけは?

西門隆博校長によると、きっかけは2022年度に産休に入った教員の代替講師が見つからなかったことでした。 新型コロナウイルスの影響もあり、担任不在のクラスと通常通りのクラスで差が出てしまい、「学級担任制では学校運営が難しい」と痛感したそうです。

学年担任制と教科担任制で、より質の高い教育を

そこで注目したのが「学年担任制」と「教科担任制」です。学年担任制なら、担任が不在でも同学年の教員がフォローできます。また、教科を得意とする教員が教える「教科担任制」も導入することで、教員の負担軽減にもつながると考えました。

東京都目黒区の「40分授業午前5時間制」を参考に

しかし、新たな課題も浮上しました。学年全体の情報を共有する時間はどうやって確保するのか?そこで参考になったのが、東京都目黒区で導入されていた「40分授業午前5時間制」でした。

多田小学校では、この制度を取り入れることで、授業時間を短縮しつつも、放課後に教員同士が情報共有や授業準備にあてる時間を確保することに成功しました。

1年半が経過して見えてきた成果と課題

新教育課程導入から1年半。教員からは「時間に余裕ができた」「他の教員の授業を見学できるようになった」という声が聞かれ、児童からも「授業に集中しやすくなった」「早く家に帰れるので嬉しい」と好評のようです。

しかし、新しい取り組みには課題もつきもの。西門校長は「教員同士の連携をさらに深め、より良い教育課程にしていきたい」と語っています。

多田小学校の挑戦は、これからの日本の教育のあり方を考える上で、非常に重要なヒントを与えてくれるのではないでしょうか?