産経新聞社は21日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で行った衆院選情勢調査(19、20両日実施)に取材を加味し、27日の投開票に向けた終盤情勢をまとめた。自民党は大きく議席を減らす見通しで、連立政権を組む公明党と合わせても、計465議席の過半数(233議席)を割り込む可能性がある。一方、立憲民主党は公示前に比べ大幅に勢力を拡大しそうだ。
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自民は、289小選挙区のうち約100で優位に戦いを進めているが、派閥政治資金パーティー収入不記載事件への批判などを背景に、約90では接戦となっている。
接戦区の多くを落とした場合、比例代表との合計でみると、公示前の256議席から60議席程度減少する可能性がある。与党全体でも公示前の288議席から70議席程度の落ち込みも予想される。
一方、立民は約70の小選挙区で先行し、公示前の98議席に50議席程度を積み増すと見込まれる。
日本維新の会は、優位に立つ小選挙区が大阪府内を中心とする20弱にとどまる。比例代表でも令和3年の前回選に比べて苦しい戦いが予想され、小選挙区と比例の合計で公示前の43議席を維持するのは困難な情勢だ。
共産党(公示前議席10)は、小選挙区への積極擁立方針が比例票の掘り起こしにつながっているとみられ、合計で数議席の増加となりそうだ。国民民主党(同7)は3倍程度に躍進する可能性がある。
主要政党以外では、れいわ新選組(同3)が数議席の伸びを視野に入れている。社民党(同1)は公示前の勢力を維持しそうだ。参政党(同1)は議席を獲得できるかが焦点となる。政治団体「日本保守党」(同0)は、公職選挙法上の「所属国会議員5人以上」の政党要件を満たす可能性がある。
調査の対象者13万8928人のうち、態度が不明や未定の人は約3割を占めており、情勢は今後変わる可能性もある。