驚異の経済成長を遂げたシンガポールの秘密
資源に乏しい小さな島国シンガポール。
かつては世界最貧国レベルだったにも関わらず、わずか数十年でアジア屈指の経済大国へと変貌を遂げました。
その秘密は、一体どこにあるのでしょうか?
シンガポールで10年以上ビジネスを営む筆者自身の経験から、その答えの一つが「クリーンな政治」にあると確信しています。
今回は、シンガポールで実際に起きた汚職事件を例に、政治の透明性と経済成長の密接な関係について解説していきます。
現職大臣に下された衝撃の判決
2023年、シンガポールで1986年以来となる現職閣僚の汚職による辞任劇が発生し、国民に衝撃が走りました。
運輸大臣を務めていたイスワラン氏が、不動産王から高額な贈答品を受け取っていたというのです。
贈答品の内容は、F1シンガポールGPのVIPシートや海外旅行の費用など、総額1000万円相当。
当初疑われていた金額よりも少額ではあったものの、裁判では検察の求刑を上回る懲役1年の実刑判決が下されました。
シンガポールで開催されるF1グランプリ
世界から高評価!シンガポールの透明性
国際調査団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」が発表している「腐敗認識指数」ランキングによると、シンガポールは常に上位にランクインしています。
2024年の最新ランキングでは、世界第5位という高評価を獲得しました。
このランキングは、汚職の少なさを表す指標となっており、シンガポールがいかにクリーンな政治体制を築いているかが分かります。
汚職を許さない厳格な姿勢
シンガポールでは、汚職は決して許されることではありません。
国家の根幹を揺るがす行為として、政治家や公務員に対して厳しい罰則が科せられます。
今回のような事例は、シンガポール政府が汚職に対して断固たる姿勢で臨んでいることを如実に示しています。
そして、この厳格な姿勢こそが、健全な経済発展を支える基盤となっていると言えるでしょう。
経済効果を生み出す「信頼」
政治の透明性が高まれば、企業は安心して投資を行い、経済活動は活性化します。
また、国民からの信頼も厚くなるため、長期的な安定と成長も見込めるでしょう。
シンガポールは、汚職を徹底的に排除することで、国際社会からの信頼を獲得し、今日の繁栄を築き上げてきました。
まさに、「清廉潔白」こそが、最強の経済戦略と言えるのかもしれません。