ジャニーズ事務所性加害問題:沈黙を破ったBBC、25年前の「文春」スクープとは?

2023年10月2日、ジャニーズ事務所は、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、被害者への補償終了後に廃業する方針を示してから1年が経過したことを発表しました。新社長の東山紀之氏は、この問題を「人類史上、最も愚かな事件」と表現し、補償に専念するためタレント業を引退しました。

この“アイドル帝国”崩壊のきっかけとなったのは、2023年3月7日に放送されたイギリスBBCのドキュメンタリー番組でした。しかし、実は25年前にも日本のメディアが沈黙を守る中、「週刊文春」がこの問題をスクープしていたのです。今回は、当時の記事を振り返りながら、その全貌に迫ります。

BBCが暴いたジャニーズ事務所の闇

「戻ってきた時には多分、顔は…。(声を詰まらせて)ちょっとごめんなさい。(顔は)おかしかったと思うので。皆には夢が壊れたとか、そんな感じで言って、その後に何人かが、『これを我慢しないと売れないから』と」

イギリス公共放送「BBC Two」のゴールデンタイムに放送されたドキュメンタリー番組『Predator:The Secret Scandal of J-Pop』の中で、黒縁メガネとマスク姿で顔を隠した男性が、声を震わせながら性的虐待の被害を告白しました。

番組は、ジャニーズ事務所の創業者である故・ジャニー喜多川氏を「Jポップ界のゴッドファーザー」と表現し、長年にわたり事務所に所属する少年たちへの性的虐待疑惑が浮上していたと指摘しました。

25年前の「週刊文春」のスクープ記事

実は、この問題を最初に報じたのは、25年前の「週刊文春」(1999年11月11日号)でした。

週刊文春の表紙週刊文春の表紙

記事では、元ジャニーズJr.の3人が実名と顔写真を公開し、ジャニー喜多川氏から受けた性被害を詳細に告発しました。しかし、日本のメディアはこの問題をほとんど報道せず、ジャニーズ事務所は法的措置も辞さない強硬な姿勢を示しました。

沈黙を破ったBBCと日本のメディアの責任

25年前、「週刊文春」のスクープ記事は大きな波紋を呼びましたが、日本のメディアはこの問題をタブー視し、沈黙を守ってきました。

しかし、BBCのドキュメンタリー番組が世界中に衝撃を与えたことで、日本のメディアも重い腰を上げざるを得なくなりました。

今回の問題は、日本の芸能界における性被害の根深さを改めて浮き彫りにするとともに、メディアの責任についても問うています。

まとめ

ジャニーズ事務所の性加害問題は、長年にわたり隠蔽されてきた闇が、BBCのドキュメンタリー番組によって白日の下にさらされた形となりました。

25年前、「週刊文春」が報じたにもかかわらず、日本のメディアが沈黙を守ってきた責任は重大です。

この問題を風化させることなく、被害者の救済と再発防止に向けた取り組みを進めていく必要があります。