迫る衆院選、為替市場に緊張感
10月27日に迫った衆議院総選挙を前に、為替市場では緊張感が高まっています。政治資金問題を抱える自民党の議席減は予想されていますが、世論調査では自公の過半数維持が微妙な情勢です。
米ドルと日本円のイメージ
選挙結果次第では政局の不安定化や先行き不透明感が強まり、株安やリスク回避の円高が進む可能性も懸念されています。
ドル高の裏で進む円高への備え
現在のところ、ドルは堅調な推移を見せており、米利下げ観測の後退を受けて3ヶ月ぶりの高値となる151円台まで上昇しました。しかし、市場関係者の間では、短期的な円高に備える動きが静かに進んでいるようです。
過去の総選挙では、円相場への直接的な影響はほとんど見られませんでした。バークレイズ証券の分析によると、2000年以降に行われた8回の総選挙後のドル/円の平均変化率は0%でした。今回も「総選挙で円が動くことはまずない」との見方が大勢を占めていました。
与党過半数割れの可能性も?市場の反応は
ところが、最近の世論調査で、産経新聞が自公の獲得議席が過半数を割り込む可能性を報じ、共同通信も与党の過半数確保は「微妙」と報道するなど、与党の過半数割れ見通しが浮上してきました。
このため、予想外の市場急変リスクを警戒する声が強まっています。仮に与党が過半数を割り込むような事態になれば、「想定外の結果を受けて市場が一時混乱に陥り、保有リスク量の削減に向けて株を売り、円を買い込む動きが強まるおそれがある」との声も上がっています。
円高は一時的?今後の経済政策に注目
しかし、仮に与党の獲得議席数が過半数を割り込み、混乱の下で株安や円高が進んだとしても、その反応は一時的との見方が少なくありません。
市場では、日本維新の会や国民民主党が連立政権に参画した場合の経済・金融政策への影響について、様々な議論が交わされています。
維新は消費税率の引き下げや日銀法改正、国民民主党は賃上げや減税などを主張しており、もし連立参画となれば、景気刺激的な政策が押し出される機会が増え、「円安圧力がかかりやすくなる」可能性もあります。
まとめ
衆院選の結果は、為替市場に大きな影響を与える可能性があります。与党の過半数割れとなれば、一時的な円高が進む可能性もありますが、その後の経済政策によっては、円安に転じる可能性もあります。今後の動向に注目していく必要があります。