和歌山2区選挙戦:世襲、保守分裂、激戦必至の構図

和歌山2区では、衆議院選挙を目前に控え、世襲、保守分裂、経済政策などを争点に、与野党など5人の候補者が激しい選挙戦を繰り広げています。今回の選挙戦は、保守分裂という異例の事態に、自民党のベテラン議員の息子である二階俊博氏と、安倍元首相に近い世耕弘成氏の対決が注目されています。

世耕弘成氏、安倍元首相の“形見”で選挙戦へ

21日夜、和歌山県串本町に安倍昭恵夫人が姿を現し、世耕弘成候補の応援演説を行いました。昭恵夫人は、世耕氏が安倍元首相と親交が深かったことを強調し、「主人はきっと『世耕ちゃんのところへ行ってあげて』と言っている」と述べ、世耕氏への支持を訴えました。

世耕氏は、いわゆる裏金問題で自民党を離党しましたが、選挙戦では、盟友である安倍元首相の“形見”を身に着けて臨んでいます。それは、2007年、退陣した安倍元首相が、捲土重来を期して履いていた靴だといいます。世耕氏は、「私は、あのときの安倍さんと同じ気持ちで歩きたい」と述べ、今回の選挙戦への意気込みを語りました。

和歌山2区選挙戦:世襲、保守分裂、激戦必至の構図

世耕氏は、不記載問題だけでなく、参議院安倍派のトップとして、キックバックを続けることが決まった会合にも出席していたことから、最も重い『離党勧告』処分を受け入れました。

二階俊博氏の息子、二階伸康氏も出馬

一方、同じく政治とカネの問題で引退を表明したのが二階俊博元幹事長です。5月には、三男の伸康氏が、和歌山2区への立候補を表明しました。そこに割って入ったのが世耕氏です。同じ2区へ、参議院からのくら替え出馬を表明しました。

党を分裂させる動きに、自民党和歌山県連は「当選しても復党を認めない」ことを森山幹事長も了承したとする異例の声明を発表。裏金問題に加え、自民党からの逆風にもさらされる選挙戦となりました。

自民党、二階伸康氏を全面バックアップ

自民党公認の二階伸康候補は、出馬表明から連日、広い選挙区を駆け回っています。今回、区割りの変更で、和歌山2区は、県全体の9割の面積を占めることになりました。41年続いてきた“二階王国”の危機に、党も全面的にバックアップしています。

20日には、石破茂元幹事長が応援演説に駆けつけ、「ご先代の二階俊博先生がずっと『国土強靱化』を訴えてきた」と述べ、二階氏の政治姿勢を継承する二階伸康氏への支持を呼びかけました。

和歌山2区の選挙戦は、世襲、保守分裂、経済政策などを争点に、激しい選挙戦が予想されます。結果は、今後の日本の政治にも大きな影響を与える可能性があります。