長野県に位置する日本屈指のスノーリゾート地、白馬村。雄大な北アルプスの山々に囲まれたこの村は、近年、外国人観光客の増加により大きな変貌を遂げています。JR白馬駅前に降り立つと、そこには日本語よりも大きな文字で「Hakuba Base Camp」の表示。まるで外国を訪れたかのような光景が広がっています。
欧米化が進む白馬村:その背景とは?
商店街を歩けば、店の看板はローマ字表記が目立ち、日本語を見つける方が難しいほど。一体なぜ、白馬村はこれほどまでに“欧米化”しているのでしょうか?
その答えは、外国人観光客の増加にあります。白馬駅前の土産物店「おじさんの店」の店主は、「冬はほとんど外国人だらけになる。日本語が通じないくらい」と現状を語ります。
白馬村は、1998年の長野オリンピックでスキー競技の会場となったことで、世界的にその名を知られるようになりました。近年では、北海道のニセコに続く、質の高いパウダースノーを求める外国人観光客の聖地として、「第2のニセコ」とも呼ばれています。
インバウンド特需の光:ホテルは外国人観光客でいっぱい
白馬パノラマホテルの白川貴衣さんは、「冬は9割、ほぼ100%近く外国人のお客さんで溢れる」と話します。ホテルのスタッフの中には、「白馬のパウダースノーを求めてやってきた」というカナダ人女性の姿も。
外国人観光客の多くは、スキーシーズンが始まる前に宿泊予約を済ませるため、日本人観光客にとっては予約が取りづらい状況が続いているようです。
インバウンド特需の影:物価高騰と日本人観光客離れ
一方で、外国人観光客の増加に伴い、物価の高騰も深刻化しています。「おじさんの店」店主によると、「極端な話をするとラーメン1杯3000円とか。非常に値段も高くなっているので、日本人たちは困っている」とのこと。
外国人観光客の増加は、白馬村に経済効果をもたらす一方で、物価高騰や日本人観光客離れといった課題も突きつけています。
白馬村の未来:持続可能な観光のあり方を模探る
白馬村は、外国人観光客と日本人観光客の双方にとって魅力的な観光地であり続けるために、新たな観光戦略が求められています。例えば、多言語対応サービスの充実や、日本人観光客向けの宿泊施設の確保などが挙げられます。
「第2のニセコ」と呼ばれる白馬村は、インバウンド特需の光と影を経験しながら、持続可能な観光のあり方を模索しています。