山形県飯豊町に2023年4月に開学した「電動モビリティシステム専門職大学」が、25年度入学の学生募集を停止した。学年定員40人に対し、在学生は2年生3人、1年生1人の計4人にとどまり、学生を集められなかったことが要因としている。
大学ホームページに清水浩学長名で文章を掲載し、公表した。広報活動が至らず、認知度が広がらなかった点を「深く反省している」とした。
電気自動車(EV)や自動運転システムの開発を学び、第一線の人材育成へ実践的な教育をする4年制大学。飯豊町が「飯豊電池バレー構想」を基に誘致した。学校法人赤門学院(仙台市)が運営し、町が土地を無償貸与。整備費3億5千万円を補助した。
同大によると、経営改善策や他法人への承継について「ギリギリまで模索」したが、打開策を見いだせず、赤門学院の国分活妙理事長が最終判断を下したとしている。
学生や保護者には9月に募集停止について説明した。その際、授業がどうなるかなど不安の声があったといい、同大の小関俊宏事務局長は「学生が卒業するまでしっかりと授業を続け、就職も支援する」としている。
28年3月に現1年生が卒業後、閉校する可能性がある。町商工観光課の担当者は「法人が判断したことだが、町としては非常に残念だ」と話す。
専門職大学は19年度に制度として始まった。同大は文部科学省が22年8月末に設置認可し、東北で初めての開学だった。(坂田達郎)
朝日新聞社