都心を襲った未曾有の恐怖!地下鉄サリン事件、科捜研は何を見たのか?

朝の通勤ラッシュ、いつもと変わらない風景が一変する。鳴り止まない救急車のサイレン。地下鉄構内から次々と運び出される負傷者たち。1995年3月20日、東京は未曾有のテロ事件に見舞われた。猛毒サリンを使用した無差別テロ、地下鉄サリン事件である。

科捜研に緊急招集!

事件発生時、警視庁科学捜査研究所(科捜研)で毒物・薬物鑑定を担当していた服藤恵三氏は、異様な数の救急車の音にただ事ではないと感じていた。無線から流れる情報は錯綜し、事態の深刻さを物語っていた。

サリンの可能性?

複数の駅構内という広域で、同時に発生していることから、人為的な犯行の可能性が高い。前年に長野県松本市で発生したサリン事件のことが頭をよぎる。「もし東京都心でサリンが撒かれたら…」という警察庁幹部の言葉が現実になったのだろうか。

未知の恐怖との戦い

科捜研に持ち込まれた鑑定資料は、地下鉄車両や駅構内で採取されたものだった。分析の結果、検出されたのは、神経ガスの一種であるサリン。地下鉄という密閉空間での使用は、まさに無差別大量殺人を目的とした凶悪なテロ行為だった。

地下鉄駅構内から運び出される乗客の様子地下鉄駅構内から運び出される乗客の様子

捜査は混迷を極める

事件発生直後から、警視庁は捜査本部を設置し、犯人逮捕に向けて本格的な捜査を開始した。しかし、犯行に使われたサリンの製造方法や入手経路は謎が多く、捜査は難航を極めた。

科捜研の奮闘

服藤氏をはじめとする科捜研の面々は、不眠不休で鑑定を続け、事件の全容解明に全力を尽くした。わずかな手がかりから、犯人グループの足取りを掴んでいく。

地下鉄築地駅で汚染された電車内の除染作業をする自衛隊員地下鉄築地駅で汚染された電車内の除染作業をする自衛隊員

真実を追い求めて

地下鉄サリン事件は、日本社会に大きな衝撃を与え、テロの脅威を突きつけた。科捜研のたゆまぬ努力により、事件の真相が徐々に明らかになっていく。