最終盤を迎えた衆議院選挙。ここにきて連日、自民党と公明党は「過半数割れの様相」と報道されている。各地で苦戦が続くなか、気になるのは自公で過半数割れした際の石破茂首相の責任問題だ。長年、政治取材をしてきたジャーナリストの有馬晴海氏は「石破首相の退陣は避けられない」と指摘する。気になる「次の首相」に一番近いのは、「初の女性首相」を狙う高市早苗氏との見方が有力だ。
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■想像以上に強い自民党への”逆風”
大接戦を繰り広げた自民党総裁選から約1か月。早くも「次期首相」の話が上がってきた。ネットやSNSでは「石破降ろし」と表現され盛り上がりを見せているが、それほど今回の衆院選は、自民党に厳しい情勢だということだろう。
有馬氏がこう説明する。
「自民候補は各地で苦戦を強いられ、情勢は芳しくありません。公示日時点で自公で過半数は獲得できそうと想定した議席は、それが難しい情勢ともみられています。のちに追認するであろう、裏金問題のため公認から外した“ステルス公認”の候補者や、無所属で出馬しているけど自民に近い候補者を合わせてみても、過半数に届かない可能性も考えられます」
そうなると、自公以外の党との連立を模索し、過半数を確保することが予想されますが、有馬氏は「自民党は想像以上に厳しい状況で、野党との連立が組めるのかも危うい」と話す。
有馬氏の見立てはこうだ。
「まず、自民党が野党と連立を組むことはありえない話ではありません。自民党は、自分たちが下野しないためなら1994年の自社さ連立政権のような連立も厭わない性質を持ち合わせています。政策の近い保守系の日本維新の会、国民民主党などが候補に挙げられ、既に模索段階に入っていると思います。不足の議席にもよりますが、両党との連立すらも難しいとみています」
その理由については、
「自民党の裏金問題への風当たりが想像以上に厳しいということ。選挙であれだけ批判していた野党が連立を組むには抵抗があるでしょう。国民は違和感が生じ、自民党に協力することは自滅行為になります。ただ政権入りするメリットもあります。ただ前回、議席を大幅に増やした維新は独自路線を進んでいます。与党の予算案に賛成までしていた国民民主党の方が自民党との距離は近く、可能性は高いとみます。自公で過半数にどれほど議席が不足するのかにもよりますが、野党が協力して野党政権になるのかも含めて選挙結果が出てから動きが出るでしょう。」