2024年10月15日に第50回衆議院議員選挙(以下、衆院選)がスタートし、10月27日に投開票日を迎えます。
衆院選では、「小選挙区比例代表並立制」という選挙制度を採用しており、小選挙区制と比例代表制というふたつの選挙が同じ投票日に行われます。
今回は、ふたつの選挙制度をわかりやすく解説します。
衆院選の小選挙区選挙とは
衆院選の小選挙区制は日本全国を289の小選挙区に分け、1選挙区につき1人を選出する制度です。この選挙によって衆議院議員の定数465人のうち、289人を決定します。
選挙区の区分けは一票の格差を考慮して決定され、直近では2022年に区割りの改定が行われました。
具体的には、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・愛知県の5都県で定数が1から5増加。宮城県・福島県・新潟県・滋賀県・和歌山県・岡山県・広島県・山口県・愛媛県・長崎県の10県で、それぞれ1選挙区ずつ減少し、10増10減とも言われています。
投票の際に投票用紙に候補者名を記入するのも、小選挙区制の特徴です。
ちなみに、参院選では都道府県単位で選挙区の区分けが行われており、人口に合わせて定数が設定されるなど制度内容に違いがあります。
衆院選の比例代表選挙とは
衆院選の比例代表選挙では、日本全国を11のブロックに分け、合計176人の衆議院議員を選出します。
衆院選の比例代表制では日本全国を11のブロックに分け、176の定数が人口に基づいて割り振られています。
小選挙区制と同様に比例代表制でも2022年に定数の見直しがなされ、東京都ブロックで2、南関東ブロックで1増加。東北ブロック・北陸信越ブロック・中国ブロックでは定数が1ずつ減少しています。
候補者に投票する小選挙区制に対して、比例代表制では政党等に投票するのがポイントです。
また、政党が事前に候補者の当選する順番を決めたリストを作成しているのも特徴です。これを拘束名簿式といいます。
拘束名簿式では、得票数に応じて政党に議席が配分され、その議席の数に応じてリストの上から順に候補者の当選が決定します。
ちなみに、参院選の比例代表では日本全国を1つのブロックとした非拘束名簿式(一部特定枠を設置)で選挙が行われ、衆院選とはルールが異なります。