予測市場でトランプ氏に大金を賭ける「クジラ」の目的は?…専門家による3つの仮説(海外)


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10月23日の時点でこの個人あるいは団体は、トランプの勝利に4600万ドルを賭けている。

「トランプは2016年の大統領選以来、ギャンブラーの間で独特な人気を誇っている」と、賭け市場の専門家は述べている。

2024年11月5日のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の勝利に巨額の賭けをしている「クジラ(大口投資家)」は、政治家や予測市場の専門家たちを困惑させている。何が起きているのかについてはいくつかの説があるので紹介しよう。

ブロックチェーンベースの分散型予測市場ポリマーケット(Polymarket)には、前大統領の勝利に約4600万ドル(約70億円)を賭ける4つのアカウントがあり、その背後にはある個人または団体がいると考えられている。

Fredi9999、Theo4、PrincessCaro、Michieの4つのアカウントの所有者は不明だが、関係があることを示唆する特徴を示していると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えている。

この行為は、クジラと思われる人物が誰なのか、単に金儲けをする以上の目的は何なのかという疑問を提起している。政治賭博の専門家にも何が起こっているのか、さっぱりわからないという状況だが、中にはこの賭けについての仮説を提示する人もいる。

この賭け市場で影響力を発揮している「クジラ」について、専門家の説を紹介する。

1.投票に影響を与えるキャンペーン

ポリマーケットでは、トランプの当選確率を64%と推定しており、約36%のカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領を大きくリードしている。これは世論調査とはまったく異なっており、調査企業538による最新の世論調査では、トランプとハリスは事実上並んでいる。

クリシュナムルティは、この賭けが選挙の行方についての本物の意見かどうかを知ることは不可能だが、「トランプに有利なストーリーを作り出す意図で行われた可能性もある」と述べている。

検索分析ツール「Glimpse」によると、「ドナルド・トランプ」に関するグーグルでの検索件数が10月中旬に24%上昇し、10月20日にはここ1カ月でのピークに達した。ちょうどその頃、ポリマーケットでのクジラの存在が知られるようになった。

同日朝の時点で、トランプはソーシャルメディアのトレンドトピックでも1位に浮上したと、ソーシャルインテリジェンス企業LunarCrushが分析している。

同じような賭けはこれまでの選挙でも見られたとクリシュナムルティは述べ、イギリスとアメリカで行われた複数の選挙を例に挙げ、明らかに「勝ち目のない」候補に多額の現金を賭ける投資家がいたことを指摘した。

「このようなことは以前にもあったと言っておきたい」と彼は続けた。

「2016年の大統領選でトランプは大穴候補だったが、その頃からギャンブラーの間で独特の人気を誇ってきた。そして、どの選挙でも彼に対して過剰に賭けられてきたことがわかるだろう」

だがこれによって選挙に影響を与えようとしても、うまくいくかどうかは疑わしいとクリシュナムルティは考えている。

「賭け市場で誰がリードしているかによって、投票先を変える人がいるとは信じがたい」

ポリマーケットの創設者であるシェイン・コプラン(Shayne Coplan)は、10月23日に公開されたザ・ニューヨーカーのインタビューで、市場の信頼性を擁護した。彼は、ハリスが勝利するという賭けについてこう語っている。

「割安だと思うものを買いに行くのを妨げるものは何もないが、今、それをしようとする人はいない。なぜならそれに本当に価値があるのか、誰も確信が持てないからだ」



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