米大統領選まで残りわずかとなった10月27日、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領は、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで大規模な選挙集会を開催しました。
現状への不満を煽り、熱狂的な支持を集める
会場は多くの支持者で埋め尽くされ、熱気に包まれていました。トランプ氏は演説の冒頭で「4年前より暮らし向きは良くなったか」と聴衆に問いかけ、会場からは一斉に「ノー!」という叫び声が上がりました。
移民問題への強硬姿勢を鮮明に
トランプ氏は、選挙で勝利した場合、不法移民の入国阻止と強制送還を強化する考えを改めて強調しました。さらに、移民を「凶悪で残忍な犯罪者」と呼び、「就任初日に米史上最大の強制送還プログラムを開始する」と宣言。
“侵略され、制圧された全ての都市や町を救済する” と述べ、移民問題への強硬姿勢を示すことで、支持者から大きな喝采を浴びました。
ハリス副大統領への批判、具体的な政策も提示
また、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を「非常にIQの低い人物」と攻撃する場面も見られました。
具体的な政策としては、移民に寛容な「聖域都市」の廃止や、犯罪歴のある移民の強制送還を目的とした1798年の「外敵法」の発動を表明。一方で、家族を介護する人を対象とした税額控除の導入も提案しました。
支持者による問題発言も
しかし、トランプ氏登壇前に演説した一部の支持者からは、人種差別的、女性差別的な発言も飛び出すなど、物議を醸す場面もありました。
例えば、トランプ氏の顧問弁護士を務めたルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は、ハリス氏がイスラエルとパレスチナの紛争において「テロリストの側」に立っており、パレスチナ人を米国に呼び込もうとしているという、根拠のない主張を展開しました。
イーロン・マスク氏も登場
注目を集めたのは、実業家のイーロン・マスク氏が登壇したことでした。マスク氏は、連邦予算を「少なくとも」2兆ドル削減できると持論を展開。トランプ氏は、新設を検討している政府効率化委員会のトップにマスク氏を起用する考えを示しています。
プエルトリコへの不適切発言も
一方、コメディアンのトニー・ヒンチクリフ氏は、中南米系住民に関する下品な言葉を使ったジョークを飛ばし、米領プエルトリコを「ごみの浮島」と呼ぶなど、不適切な発言で波紋を広げました。
トランプ陣営はロイターに対し、プエルトリコに関するジョークはトランプ氏や陣営の見解を反映したものではないとコメントしています。
ハリス副大統領はプエルトリコへの支援を約束
ハリス氏は同日、ペンシルベニア州フィラデルフィアのプエルトリコ料理レストランを訪問。SNSに動画を投稿し、当選した場合、「プエルトリコの未来に投資する」と約束しました。
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今回の選挙集会は、残り少ない選挙戦で、トランプ氏が改めて移民問題への強硬姿勢を鮮明にしたこと、そして、その言動が物議を醸している現状を浮き彫りにしました.