中国Z世代の新たな潮流:愛国観光が急増中!その背景と影響とは?

中国Z世代を熱狂させる「紅色観光」

中国では近年、若者世代を中心に「紅色観光」がブームとなっています。紅色観光とは、中国共産党や革命にゆかりのある史跡を巡る旅のこと。従来は中高年層に人気でしたが、Z世代と呼ばれる1990年代後半から2010年代生まれの若者たちの間で急速に広がりを見せています。

altalt

中国統計局によると、2023年の国慶節(建国記念日)連休期間中の紅色観光の支出額は、前年同期比で約40%も増加しました。特に注目すべきは、参加者の年齢層です。統計によると、紅色観光全体の約58%を10代後半から30代前半が占めており、Z世代が中心的な役割を担っていることが分かります。

なぜZ世代は紅色観光に熱中するのか?

個性や自由を重視すると言われるZ世代が、なぜ愛国主義色の強い紅色観光に惹かれるのでしょうか?その理由の一つとして、中国の教育制度の変化が挙げられます。

中国では2000年代以降、愛国主義教育が強化され、学校教育において共産主義や民族主義を強調する傾向が強まっています。その結果、Z世代は幼い頃から愛国心を育む教育を受けてきました。

愛国教育と経済効果の結びつき

中国政府は、愛国主義教育を促進するだけでなく、経済効果にも結び付けようと、様々な政策を打ち出しています。例えば、旅行会社はZ世代をターゲットにした紅色観光ツアーを企画し、若者向けの宿泊施設や飲食店なども続々とオープンしています。

愛国消費と愛国映画:中国Z世代の消費行動

Z世代の愛国主義は、消費行動にも影響を与えています。中国産の製品を積極的に購入する「愛国消費」や、愛国主義をテーマにした映画が人気を集めるなど、彼らの間では愛国心を表現する消費活動が活発化しています。

過熱する愛国主義:その光と影

Z世代の愛国主義の高まりは、中国社会に新たな活力を生み出す一方で、懸念材料も抱えています。行き過ぎた愛国主義は、排他的なナショナリズムに繋がりかねず、国際社会との摩擦を生む可能性も孕んでいます。

愛国主義に潜む危険性

実際に、近年中国では外国人に対する暴行事件が発生しており、その背景には歪んだ愛国主義があると指摘されています。2023年9月には、広東省深圳市で日本人小学生が暴漢に襲われ死亡する事件が発生しました。また、同年6月には吉林市でアメリカ人4人が凶器で襲われる事件も起きています。

まとめ:中国Z世代の愛国主義と今後の行方

中国Z世代の愛国主義は、彼らが受けてきた教育や社会背景、そして経済状況などが複雑に絡み合って生まれたものです。今後、中国社会がどのように変化していくのか、そしてZ世代の愛国主義がどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要があります。