和歌山2区といえば、長年、二階俊博氏の「王国」と呼ばれてきた選挙区。今回の総選挙では、俊博氏の引退に伴い、三男・伸康氏が後継者として出馬しました。当初は当選確実とまで言われた伸康氏でしたが、元自民党の世耕弘成氏が無所属で出馬すると形勢は一変。劣勢が伝えられる中、選挙戦最終日、これまで一度も地元入りしていなかった父・俊博氏が決起集会に姿を現しました。
選挙戦最終日、静かなる熱気
10月26日午後7時半、和歌山県御坊市民文化会館で行われた伸康氏の決起集会。会場には約200人の支持者が集まり、選挙ボランティアへの感謝と最後の投票依頼が行われました。
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力なく…俊博氏、息子のために壇上へ
集会の最後には、俊博氏が壇上に。おぼつかない足取りでマイクの前に立った俊博氏は、手を演壇に置き、立つのもやっとの様子でした。
「新人ですから不甲斐ないところがあると思いますけど、自由民主党の公認を頂戴しているわけですから、この上皆さんからもう少々押し上げていただいて、和歌山育ちのこの若者を国政に送っていただくチャンスを与えていただく。こういうところに来ていると思います。」
そう語り始めた俊博氏。言葉に詰まりながらも、集まった支持者へ、息子を国政に送り出す最後の訴えを行いました。
「勝敗の分かれ目」 俊博氏の悲痛な叫び
「残された時間はわずかでございますが、このわずかな時間が勝敗の分かれ目でございます。ここで勝負を決めなければなりません。皆様のお力添えをいただき、しっかりそのご恩を返すことができるよう、まさにふるさとのために…本当にふるさとを良くするのは、ここに、会場にお集まりの有力な皆さんと、壇上に並んでいる皆さんの力を結集して、はじめてそのことが成り立つわけでございます」
俊博氏は、時折言葉を詰まらせながらも、必死に支持者へ呼びかけました。
「これ以上申し上げることはありません」 最後の挨拶
「大変お忙しい中、この会場にお集まりいただいてありがとうございます。私からはこれ以上申し上げることはございません。精一杯頑張って、ひたすら皆さんのご厚意にお答えすることができますように、あと残された時間は限られておりますが、皆さんの温かいお気持ちにお答えするようにさせていただきたい。そのためにもう一息のご支援、ご指導よろしく申し上げます。大変長い間、ありがとうございました」
最後は、深々と頭を下げ、感謝の言葉を述べた俊博氏。その姿からは、長年守ってきた「王国」の崩壊が現実味を帯びてきたことへの無念さが感じられました。
