自民党の小泉進次郎氏が28日、選対委員長を辞任したのは、党執行部の誰かが与党過半数割れの責任を取らなければ、石破茂政権が批判に耐え切れず、退陣は避けられないとの危機感を抱いたからだ。小泉氏は首相と森山裕幹事長に慰留されたが、振り切った。
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衆院選の大勢が判明した28日未明、小泉氏は党本部の一室で、首相と森山氏と向き合った。大敗を受け辞任する考えを伝えた小泉氏に対し、首相と森山氏は翻意を促した。だが、小泉氏の意思は固かった。
「それでも私が辞めなければ政権が持ちませんよ」
党内では与党の過半数割れを受け、小泉氏の辞任▽森山、小泉両氏の辞任▽首相退陣―の3つの引責案が取り沙汰された。小泉氏は27日夜のテレビ番組で「いかなる形であろうと私が責任をとる」と語った。
首相らは執行部の枠組み維持を説いたが、小泉氏は自身が責任を取ることで、政権への打撃を最小限に抑えられると主張。首相らは最終的に慰留を断念し、辞表を受理した。小泉氏は28日、記者団に「選対委員長が責任を取るのは最低限必要なことだ」と辞任の理由を説明した。
ただ、首相や執行部への批判はやんでいない。与党過半数割れは平成21年以来で、党幹部の一人は「1人が腹を切って済む話ではない」と漏らす。小泉氏に近い中堅議員は「(首相らへの)恨みはみんな持っている。『石破おろし』が始まるだろう」と語った。(竹之内秀介)