「いらないものなんてない」“たくさんのモノ”に囲まれて暮らす89歳ーー「非ミニマリスト」のモノを捨てない住まい方


【ルームツアー(写真)】モノであふれる“非ミニマム”な小森さんの自室内部(11枚)

■89歳、山小屋で1人きりで過ごす

 「では4日ほど、山小屋に行ってきます!」

 季節が秋に差しかかったとある日、小森祥子さん(89歳)さんは、グループリビング・おでんせのスタッフに元気よく声をかけると、迎えの車に乗り込んだ。

 ドライバーは、小森さんがかつて副業で講師を務めた、集団就職の若者が集うレクリエーション教室の生徒。付き合いは50年を超え、恩師・小森さんの送迎のために栃木県の自宅からはせ参じる。

 その後も友人たちを招くために建て増しし、「お布団を5枚並べて敷ける」横長のロフトも作り、最大17名泊まったこともあるという。また、趣味の一つである木工制作用に2畳余りの木工場も完備している。

【ルームツアー(写真)】「全部ときめくから捨てられない」モノであふれる“非ミニマム”な小森さんの自室内部(11枚)

 だが、90歳を目前にした今は、その頃とは違った楽しみ方をしている。

 普段、共同生活を送っているおでんせでの喧騒や同所の理事長という役割から距離を置き、1人きりで過ごす数日間は、何にも代えがたい愛おしい時間だという。

 山小屋に到着すると、まず深呼吸。「私の恋人」と呼ぶモーツァルトのCDを聴きながら、ゆっくりと山小屋の生活を堪能する。



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