トランプ前大統領集会で人種差別発言連発、波紋広がる 米大統領選への影響は?

マディソン・スクエア・ガーデンで行われたトランプ前大統領の集会で、人種差別的な発言が相次ぎ、物議を醸しています。大統領選への影響が懸念される中、本記事では集会での問題発言、批判の声、そして今後の選挙戦への影響について詳しく解説します。

集会で飛び出した差別発言の数々

10月27日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで、トランプ前大統領の大規模集会が開催されました。多くの支持者が集まる中、様々な演説が行われましたが、その内容には人種差別的な発言が多数含まれていました。

コメディアンのトニー・ヒンチクリフ氏は、中南米系移民を揶揄する発言を行い、プエルトリコを「海の真ん中に浮かぶゴミの島」と表現しました。この発言は、プエルトリコ系住民が多い激戦州ペンシルベニア州を中心に、大きな波紋を広げています。

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さらに、ジュリアーニ元ニューヨーク市長はパレスチナ人への差別的発言、タッカー・カールソン氏はハリス副大統領の出自や知能を侮辱する発言を行いました。これらの発言は、集会に集まった支持者から笑い声や歓声で迎えられたといいます。

これらの差別発言に対し、民主党のオカシオ・コルテス下院議員はトランプ氏の集会を「憎悪集会」と批判しました。ワシントン・ポスト紙も、過去のナチス支持集会を引き合いに出し、強い懸念を示しています。

批判の声と選挙への影響

ヒンチクリフ氏の発言に対し、トランプ氏の側近であるピーター・ナバロ氏でさえも批判の声を上げています。また、プエルトリコ系住民が多いフロリダ州選出の共和党議員からも、発言の不適切さを指摘する声が上がっています。

プエルトリコ系アーティストのジェニファー・ロペスさんやリッキー・マーティンさんは、ハリス副大統領への支持を表明しました。著名人の政治的発言は、有権者の投票行動に影響を与える可能性があります。

ペンシルベニア州はプエルトリコ系住民が多く、全米で4番目に人口が多い州です。彼らの票は選挙結果を左右する可能性があり、今回の差別発言が選挙にどのような影響を与えるか注目されています。

専門家の見解

政治アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「今回の差別発言は、スイングステートであるペンシルベニア州のプエルトリコ系住民の反感を買う可能性が高い。トランプ陣営としては、この失言が選挙結果に悪影響を及ぼさないよう、早急な対応が必要となるだろう」と述べています。

トランプ陣営は、ヒンチクリフ氏の発言について「トランプ前大統領や選挙陣営の見解を反映したものではない」と火消しに追われています。

投票所での人種差別的行為も発生

フロリダ州では、投票所に来た有権者に対し人種差別的な音楽を流したり、威嚇的な発言をした白人男性が逮捕されました。大統領選まであとわずかという時期に、投票プロセスにおける差別行為が発生したことは、選挙の公正性に対する懸念を高めています。

大統領選まで1週間。人種差別をめぐる一連の出来事が、選挙結果にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目されます。