「もはや目的が理解できない」 ドイツ首相、異例のイスラエル批判


【写真】ガザ地区の今 25年5月

 メルツ氏は、歴史的経緯からイスラエル批判には他国よりも慎重であるべきだとしたうえで、「国際人道法が侵害されているのであれば、発言しなくてはいけない」と語った。ガザでの子供らの犠牲増加に触れて「テロとの戦いとしてもはや正当化できない」と強調し、人道状況の悪化は受け入れがたいとした。

 5月に就任したメルツ氏は、ショルツ前政権と同様にイスラエル寄りの姿勢を示していた。だが、他の欧州首脳らとも歩調を合わせる形で批判に転じた。

 イスラエルが3月初旬から、2カ月半にわたって支援物資の搬入を阻止したことでガザの人道状況は急速に悪化した。英仏とカナダの3カ国首脳は19日、イスラエルに対し、大規模な地上侵攻の即時停止と支援物資の搬入拡大を求める共同声明を発表した。状況が改善しなければ「具体的な行動を取る」と警告。英国は20日、イスラエルとの自由貿易協定(FTA)の更新交渉を停止した。

 こうした動きに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスを勇気づけている」と反論している。【ベルリン五十嵐朋子】



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