闇バイトによる犯罪が深刻化し、若者の関与が後を絶ちません。本記事では、元少年院職員であり犯罪学の専門家である山田教授（仮名）の協力を得て、闇バイトの実態と、その背後にある問題点に迫ります。実際に闇バイトに関わった少年の生々しい告白を通して、その恐ろしさを浮き彫りにし、未然防止のための対策を探ります。
闇バイトの罠：「うちの子に限って」は通用しない時代
龍谷大学矯正・保護総合センター嘱託研究員の廣末登氏によると、闇バイトの勧誘は巧妙化しており、「うちの子に限って」という考えは通用しなくなっているとのこと。SNSなどを利用した巧妙な勧誘で、若者を犯罪に引きずり込む闇バイトの実態を紐解きます。
闇バイトのイメージ
山田教授は、多くの闇バイト従事経験者との面談を通して、その実態を調査してきました。「一度関わると抜け出せない」という闇バイトの恐ろしさ、そして加害者となる若者の心理について解説します。
少年の告白：強盗事件の現場で何が起きたのか
山田教授が面談したある少年（犯行当時17歳）は、強盗事件に関与した経験を赤裸々に語りました。
強盗実行の指示
少年は「タタキ（強盗）」を指示され、ターゲットの店の社長が夜間に売上金を持ち帰る際に奪うように指示されました。暴力の使用も許可されていたといいます。
現場での葛藤と暴行
当初、少年は暴力を振るう役割ではありませんでした。しかし、実行役が怖気づき、指示役から「代わりにお前がやれ」と命令され、被害者を殴打しました。
強盗事件のイメージ
奪った金の行方
少年は、奪った金を指示役に渡さず、全額持ち逃げしました。事前に500万円あると言われていましたが、実際には150万円しか入っていなかったため、リスクを負った自分が全額受け取るべきだと考えたのです。
逮捕とその後
少年は防犯カメラの映像から特定され、逮捕。犯行時少年だったため保護処分となり、少年院に送致されました。
闇バイトの危険性と対策
少年の告白は、闇バイトの危険性を改めて示すものです。指示役からのプレッシャー、現場での混乱、そして犯罪後の逃亡劇。一度闇バイトに関わると、容易に抜け出すことはできません。
闇バイト撲滅のためには、社会全体での取り組みが必要です。警察への相談窓口の設置、学校教育における啓発活動、そして保護者による家庭での教育など、多角的な対策が求められます。
まとめ：闇バイトから若者を守るために
闇バイトは、若者の人生を大きく狂わせる危険な罠です。本記事を通して、闇バイトの実態とその恐ろしさについて理解を深めていただければ幸いです。少しでも怪しいと感じたら、すぐに警察や相談窓口に連絡しましょう。そして、社会全体で協力し、闇バイトから若者を守っていきましょう。
