7月31日、SNSプラットフォームX上で公開された大阪城の動画が、大きな批判を呼びました。日本の歴史的建造物における外国人観光客のマナー違反が改めて問題視される中、この動画には複数の外国人と思われる男性が大阪城の石垣をよじ登る様子が映し出されており、多くの日本人から懸念の声が上がっています。
拡散された迷惑行為動画と世間の反応
この動画は8月1日の時点で151万回以上表示されており、その影響の大きさを物語っています。投稿には「大阪城の城壁を登る外国人観光客どうにかならない?本当に日本の文化が壊れていく」とのコメントが添えられ、X上では同様の批判が殺到しました。具体的には、「注意書きの看板だらけになって景観も悪くなるし。本当に何やってくれてんだか、呆れるね」といった景観への懸念や、「Grok先生より 大阪城の石垣登りは文化財保護法違反の可能性があり、損傷すれば罰金30万円以下や懲役5年以下の処罰。公式に禁止されており、危険」といった文化財保護法に言及する声も多く見られました。これらのコメントは、インバウンド増加に伴う一部の外国人観光客による迷惑行為への社会的な関心の高まりを示しています。
批判が殺到した、大阪城の石垣をよじ登る外国人観光客3人の姿を捉えた動画の一場面。日本の歴史的建造物におけるマナー違反が問題視されている。
京都・平等院での類似事例
大阪城での出来事だけでなく、他の有名観光地でも類似のマナー違反が報告されています。例えば、今年6月にはTikTokで京都の平等院にて、外国人観光客が鐘楼に無断で侵入し、鐘を揺らす迷惑行為の動画が拡散されました。旅行ライターによると、平等院では鐘を突かないよう多言語での注意書きが設置されているにもかかわらず、日本人、外国人問わず同様の行為が後を絶たないとのことです。これらの事例は、日本の文化施設における観光客の行動規範の徹底が喫緊の課題であることを浮き彫りにしています。
大阪市観光課の公式見解と対策
この大阪城でのマナー違反動画について、大阪市の観光課に問い合わせを行ったところ、現状に関する見解が示されました。観光課の回答によると、「警備の報告などの状況から、(マナー違反をする人が)増えているという印象はございません。警備の巡回時に、石垣に足をかける等の行為を発見した場合は、声掛けを行っております」とのこと。
注意喚起の看板設置など、具体的な対策については、「警備については、投稿された箇所は重点地区に設定するなどして、対応を強化しております。また啓発看板については現段階で設置する予定はありませんが、今後同様の事象が多くみられるようであれば設置など検討してまいります」と説明がありました。
今回の動画拡散による反響については、「この動画を見ての批判は現時点ではありませんが、今年に入ってXに投稿された同様の写真をご覧になられた方からは、数件のご意見をいただいています」と述べられ、同様の迷惑行為に関する報告が以前から寄せられていたことが明らかになりました。
増加する外国人旅行者と文化理解の重要性
今年上半期に日本を訪れた外国人旅行者は2151万人と、去年の同じ時期に比べて21%増加し、過去最多を記録しました。このようなインバウンドの増加は経済効果をもたらす一方で、一部の旅行者によるマナー違反が社会問題となるケースも散見されます。迷惑行為を行うのはごく一部の旅行者であるとはいえ、訪れる国の文化を理解し、尊重する姿勢を持つことの重要性が改めて問われています。日本を訪れる旅行者には、その土地の歴史や文化への敬意を払い、適切なマナーを守って観光を楽しんでほしいと強く願われます。