声優・小原乃梨子さんのお別れ会、ドラえもんファミリー集結し故人を偲ぶ

声優の小原乃梨子さん(享年88歳)のお別れ会が10月30日、都内にて執り行われました。野比のび太(ドラえもん)、ドロンジョ(ヤッターマン)など数々の名キャラクターを演じ、日本のアニメ史に大きな足跡を残した小原さん。会には、羽佐間道夫さん、野村道子さん、水島裕さん、水田わさびさん、かかずゆみさんなど、声優仲間や関係者約250人が参列し、故人の冥福を祈りました。

2500本のバラに囲まれた祭壇、小原さんの笑顔が輝く

祭壇には、2017年に撮影された小原さんの優しい笑顔の写真が飾られ、生前大好きだったというバラの花2500本が祭壇を彩りました。長男でアニメーターの戸部敦夫さんは、「私にとっては母ですが、皆様の方が彼女の作品を通して、彼女の心に触れられたのではないかと思います」と挨拶しました。

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小原さん所属事務所「81プロデュース」の南沢道義社長は、「先日、大山さんの訃報も届き、ドラえもんとのび太はどこまでも一緒なのだと感じました。天国で藤子先生と再会し、楽しく語り合っていることでしょう」と、盟友である大山さんの名前を挙げ、二人の深い絆を偲びました。

ドラえもんファミリーの追悼、小原さんとの思い出を語る

会場には、小原さんが声優を務めた「ドラえもん」「ヤッターマン」のテーマソングのバイオリン演奏が流れ、参列者は献花を行いました。その後、羽佐間道夫さん、野村道子さん、水島裕さん、水田わさびさん、かかずゆみさんらが囲み取材に応じ、小原さんとの思い出を語りました。

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羽佐間さんは「アニメ声優の草分け的存在、指導者でした。長年の貢献に感謝します」と述べました。

水田わさびさん、後輩思いの小原さんに感謝

現在、ドラえもん役を務める水田さんは、以前、同作で様々な役を演じていた頃を振り返り、「のび太くんはセリフ量が多いにも関わらず、小原さんは発声方法など、後輩の私を指導してくれました。本当に後輩思いの先輩でした」と感謝の言葉を述べました。アニメーション制作の現場におけるベテラン声優の指導力の重要性を改めて認識させられるエピソードです。

野村道子さん「5人組が私だけになっちゃった」

野村さんは、「大山さん、小原さんと3人でよく遊び、海外旅行にも行きました」と懐かしそうに語りました。 静香ちゃん役として、のび太、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫とともに、黄金期を築いたメンバーの一人。大山さん、小原さん、たてかべ和也さん、肝付兼太さんに続き、小原さんも天国へ旅立った今、「5人組が私だけになっちゃった」と寂しさを滲ませながらも、「残りの時間を一生懸命楽しもうと思いました」と、天国の仲間たちに誓いました。

小原さんの功績を称え、その温かい人柄を偲ぶ声が多数寄せられ、日本のアニメ界にとって大きな損失であることを改めて感じさせる会となりました。