衆議院選挙の結果、自民党は過半数を割り込み、今後の国会運営に大きな課題を抱えています。11月11日に召集される特別国会を前に、自民党は過半数確保のため、無所属議員への働きかけを強化しています。中でも、世耕弘成氏の自民党会派入りが大きな波紋を呼んでいます。
過半数割れへの焦りと世耕氏への複雑な感情
自民党は過半数割れという厳しい現実を受け、首相指名選挙や今後の円滑な国会運営に向けて、議席確保に奔走しています。石破茂総裁は、衆議院選挙で非公認となった萩生田光一氏、西村康稔氏、平沢勝栄氏、そして離党勧告処分を受けた世耕弘成氏らに自民党会派入りを要請。さらに、与党系無所属議員にも声をかけ、6名全員が了承しました。
衆議院選挙投開票日の自民党・森山裕幹事長
しかし、この動きに党内から異論が出ています。特に、森山裕幹事長は世耕氏の会派入りを快く思っていないようです。森山氏は二階俊博元幹事長と親密であり、二階氏の三男・伸康氏と同じ選挙区に出馬した世耕氏の行動を「反党行為」と捉えているとされています。
森山幹事長、世耕氏の復党を否定
森山氏は、世耕氏の会派入りは認めたものの、復党については否定的な見解を示しています。政治ジャーナリストの後藤謙次氏へのインタビューでは「彼の復党はありません」と断言。記者団に対しても「自民・無所属という“会派”に入ってもらうということです」と強調し、復党とは異なることを明確にしました。
政治ジャーナリストの宮崎信行氏は、世耕氏の復党の可能性について、野党から内閣不信任案が提出されるタイミングなどを挙げつつ、森山氏の真意は「会派入りだけで十分。復党までさせる必要はない」と考えていると推測しています。森山氏は野党とのパイプも持ち、野党の協力も視野に入れている可能性があると指摘しています。
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世論の厳しい声と今後の展望
世耕氏の会派入りに対しては、SNS上でも「非公認にした意味は?」「詐欺と同じ」といった批判の声が上がっています。非公認議員への活動費給付問題で批判を浴びている森山氏にとって、世耕氏の会派入りは更なる逆風となる可能性があります。
自民党は過半数割れという厳しい状況下で、今後の国会運営に大きな不安を抱えています。世耕氏の会派入りは一時的な解決策に過ぎず、根本的な問題解決には至っていません。今後の政局の行方に注目が集まります。