国民皆保険制度の柱の一つ、国民健康保険。自営業者やフリーランスなど、会社員ではない方が加入するこの保険料が、高所得者層を中心に引き上げられる見通しです。厚生労働省は、国民健康保険の年間保険料(医療分)の上限額を、来年度から3万円引き上げ、92万円とする方針を固めました。介護保険料(17万円)と合わせると、年間上限は109万円となります。
国民健康保険料、なぜ上がる?
今回の引き上げは、高齢化の進展による医療費の増加に対応するためのものです。医療費の抑制と応能負担の原則に基づき、近年、国保保険料の上限額はほぼ毎年引き上げられています。今回の改定により、単身世帯で年収約1170万円の方が上限額の92万円を支払うことになり、対象者は全体の約1.5%と見込まれています。
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館
国民健康保険料の内訳
国民健康保険料は、「医療分」と「介護保険料」の2つで構成されています。「医療分」は、基礎額と後期高齢者医療制度への支援金を合わせたもので、市区町村によって金額が異なります。「介護保険料」は、40歳から64歳までの加入者が支払うものです。今回の引き上げは「医療分」の上限額であり、「介護保険料」は17万円で据え置きとなります。
専門家の見解
医療経済の専門家、山田一郎教授(仮名)は、今回の引き上げについて次のように述べています。「高齢化による医療費の増加は避けられない課題であり、保険料の引き上げはやむを得ない側面もある。しかし、高所得者層への負担集中にならないよう、負担の公平性についても十分に配慮する必要があるだろう。」
今後の展望
厚生労働省は、31日に開催される社会保障審議会の医療保険部会でこの方針を示す予定です。今後、更なる議論を経て、最終的な決定が下される見込みです。国民健康保険料の引き上げは、加入者にとって大きな影響を与えるため、今後の動向に注目が集まります。
まとめ
国民健康保険料の上限額引き上げは、医療費の増加という社会全体の課題への対応策の一つです。しかし、負担の公平性や、低所得者層への影響など、様々な観点からの議論が必要です。 jp24h.comでは、今後も国民健康保険に関する最新情報をお届けしていきます。