北朝鮮軍、ウクライナ前線へ? 米国務長官が警告、日米韓の連携強化へ

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、北朝鮮軍のウクライナ投入の可能性が浮上し、国際社会の懸念が高まっている。ブリンケン米国務長官は、北朝鮮兵士がまもなくウクライナ軍との戦闘に参加する可能性を示唆。この事態は、東アジアの安全保障環境にも大きな影響を及ぼすことが懸念される。

ブリンケン長官、北朝鮮軍のウクライナ投入を警告

ブリンケン米国務長官は、既に8000人もの北朝鮮兵士がロシアのクルスク地域に配備されており、今後数日中にウクライナ前線に投入される可能性があると警告した。ロシア側は北朝鮮兵士の存在について肯定も否定もしていないが、ウクライナ軍がクルスク地域の一部を占拠している現状を考えると、両軍の衝突は避けられない情勢となっている。

北朝鮮兵士のイメージ北朝鮮兵士のイメージ

ブリンケン長官は、北朝鮮兵士が戦闘に参加すれば正当な軍事目標となると強調。プーチン大統領が自国兵士に続き、北朝鮮兵士を「肉挽き機」に投入しようとしているとし、ロシア側の弱さの表れだと指摘した。

北朝鮮のICBM発射実験とロシアとの関係

北朝鮮は31日にICBMの発射実験を実施。韓国政府は、北朝鮮がウクライナへの兵士派遣と引き換えに、ロシアからミサイル技術の提供を受けている可能性を指摘している。 国際社会からの非難が高まる中、北朝鮮の真意はどこにあるのか。専門家の間では、北朝鮮が経済制裁の緩和や軍事技術の獲得を狙っているとの見方が強い。

ゼレンスキー大統領、国際社会の無反応を批判

ウクライナのゼレンスキー大統領は、北朝鮮の関与についていち早く警鐘を鳴らしていたにも関わらず、同盟国からの反応がなかったことを批判。ロシアは西側諸国の反応を窺っており、反応が薄ければ北朝鮮部隊を「増強するだろう」と懸念を表明した。また、中国の沈黙にも驚きを隠せない様子だった。

ゼレンスキー大統領ゼレンスキー大統領

ブリンケン長官も中国に対し、北朝鮮への影響力行使を求めている。日米韓をはじめとする国際社会は、北朝鮮の動向を注視し、連携を強化していく必要がある。

ロシアと北朝鮮、外相会談で「揺るぎない支援」を表明

ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相はモスクワで会談を行い、北朝鮮の金正恩総書記がロシア軍への「揺るぎなく強力な支援」を指示したことを明らかにした。崔外相は「勝利の日までロシアの同志たちと毅然とした態度を取る」と述べ、北朝鮮のロシアへの強い支持を表明した。

北朝鮮の中国依存からの脱却?

西側の専門家は、北朝鮮のロシアへの肩入れは、中国への依存を減らす狙いがあると分析。この動きは、中国にとっても警戒すべき事態となる可能性がある。北朝鮮、ロシア、中国の関係が今後どのように変化していくのか、今後の動向に注目が集まっている。

ラブロフ外相と崔善姫外相ラブロフ外相と崔善姫外相

北朝鮮のウクライナ紛争への介入は、国際情勢を更に複雑化させる可能性があり、今後の動向を注視する必要がある。