そもそも、第3号被保険者とは、国民年金の被保険者のうち、勤め人の配偶者で、その人に扶養されている人であり、国民年金保険料を自身では納めないこととなっています。
配偶者が納める厚生年金保険料の中に第3号被保険者の分の保険料も含まれていると説明されますが、実際の費用負担としては、厚生年金が支払う基礎年金拠出金を計算する際、第2号被保険者の人数に配偶者である第3号被保険者の人数も加えた上で計算されており実際には、共働きや独身者も含めた厚生年金保険被保険者全体で、第3号被保険者の国民年金保険料を負担しているのです。
逆に言えば、第3号被保険者を廃止することで、共働きや独身者の社会保険料の軽減につなげられます。
そして、何より、第3号被保険者の要件である「年収130万円未満」が、パート労働者等の就業調整につながり、いわゆる「年収の壁」の原因になっています。今、政府は補助金を企業に出して、時限定な対策を講じていますが、これは一時凌ぎに過ぎず、抜本改革には程遠い内容です。今回、私たちが提案した第3号被保険者の廃止こそ、まさに年収の壁の抜本解決案となります。
また、自営業者の妻や母子家庭の母は、個別に保険料を納めなければ給付が受けられないのに対し、第3号被保険者だけが、保険料を払わなくても国民年金を全額受け取れるのは不公平との意見も根強くあります。