学校がつまらない、行きたくない…。子どもからこんな言葉を聞いたら、親としてどうすればいいのでしょうか?この記事では、ある母親の体験を通して、子どもたちの不登校の背景にある学校教育の課題について考えていきます。
なぜ学校がつまらない? ある母親の目撃談
東京都内に住む川上宏美さん(仮名、40代)の娘は小学5年生。3年生の頃から学校を休みがちになり、5年生の2学期には図工と家庭科の日以外、登校しなくなりました。宏美さんは、娘の忘れ物を届けに学校へ行った際、ある光景を目にします。低学年の教室では、女性教員が子どもたちの些細なおしゃべりに声を荒げ、高学年の廊下では男性教員が男子児童を引きずり出して叱責している。校庭でも教員の大声が響き渡り、子どもたちはまるで軍隊のように一斉に動いていました。
子どもたちが行進する様子
宏美さんは、まるで工場の検品作業のように子どもたちをチェックする教員の厳しい態度、そして画一的な指導に強い違和感を覚えました。
体操服問題:子どもたちの声に耳を傾けているか?
娘が学校に行きたがらない理由の一つに、体操服の問題がありました。成長に伴い体型が目立ち始めた娘は、体操服を着ることを嫌がり、体育の授業を見学することが増えていました。白いシャツをズボンに入れる校則にも抵抗を感じていた娘は、シャツを外に出して授業を受けたことで教員から叱責を受け、「反抗的」というレッテルを貼られてしまいました。
宏美さんは学校に、指定以外の運動服や体型のラインが目立ちにくい体操服の着用を相談しましたが、「危険だ」「モラルが低下する」という理由で却下されてしまいます。
時代遅れの校則、本当に必要?
「中学生になれば長袖・長ズボンのジャージも認められているのに、なぜ小学生は昔ながらの体操服を着なければいけないのか?」宏美さんは疑問を投げかけます。マット運動や鉄棒で服が巻き込まれる危険性があるなら、その時だけズボンに入れればいいのではないか。赤白帽子を忘れただけで見学させるのは、教育を受ける権利を奪っているのではないか。友達同士で貸し借りするのも、代用品を考えるのも、大切な教育の一環ではないか…。
体操服を着て体育の授業を受ける子どもたち
画一的な教育が生む息苦しさ
宏美さんは、「右へ倣え」の画一的な指導が子どもたちを息苦しくさせていると感じています。教育現場の規格化・画一化によって、子どもたち一人ひとりの個性が無視され、枠にはまらない子どもたちが排除され、傷ついている現状に危機感を抱いています。
子どもたちのSOSに耳を傾けよう
教育評論家の山田先生(仮名)は、「子どもたちの不登校は、学校教育の抱える問題を浮き彫りにしている」と指摘します。「画一的な指導ではなく、多様性を尊重し、一人ひとりの個性を伸ばす教育が求められている」と訴えています。
この記事を通して、子どもたちのSOSに耳を傾け、学校教育のあり方について改めて考えてみるきっかけになれば幸いです。