外食チェーン「ワタミ」がサンドイッチチェーン世界最大手の「サブウェイ」の日本法人を買収し、マスターフランチャイズ契約を締結しました。居酒屋のイメージが強いワタミですが、今回の買収劇は一体何を意味するのでしょうか?今後の戦略、そして「サブウェイのワタミ」誕生の可能性について、詳しく解説します。
ワタミ、サブウェイ買収の背景と狙い
ワタミはこれまで居酒屋事業を中心に展開してきましたが、コロナ禍の影響もあり業績は苦戦していました。そんな中、サブウェイ買収という大胆な戦略に出た背景には何があるのでしょうか?渡邉美樹会長兼社長CEOは「サブウェイしかないと確信した」と強い意気込みを表明しています。世界的に見るとサブウェイは約3万7000店舗とマクドナルドに匹敵する巨大チェーン。この成長性に着目し、日本市場での更なる拡大を狙っていると考えられます。
ワタミ会長の記者会見
マスターフランチャイズ契約で独占展開
今回の買収でワタミはサブウェイとマスターフランチャイズ契約を締結。これは国内での直営店展開に加え、フランチャイズ(FC)展開の権利も持つことを意味します。マクドナルドやケンタッキーフライドチキンも採用しているこの戦略で、今後10年間で250店舗の出店を計画。その半数はFCでの展開を目指しています。
3000店舗体制への道筋
現在、サブウェイの国内店舗数は178店舗。ワタミはこれを20年程度で3000店舗まで拡大するという壮大な目標を掲げています。この目標達成に向け、まずは来年春頃に都心に旗艦店を出店予定。その後、商業施設内やロードサイド、大学構内など様々な立地への出店を検討しています。
多様な立地戦略で顧客層拡大へ
商業施設内への出店はファミリー層、ロードサイド店はドライバー、大学構内は学生といったように、それぞれの立地特性に合わせた顧客層へのアプローチが期待されます。多様なニーズに対応することで、着実に店舗数を増やしていく戦略でしょう。
ワタミの業績推移
「サブウェイのワタミ」実現の可能性
ワタミの国内店舗数は現在328店舗。3000店舗という目標が達成されれば、まさに「サブウェイのワタミ」と言えるほどの変革となるでしょう。65歳の渡邉会長は80代まで経営者として挑戦を続けると表明しており、今後の展開に注目が集まります。
専門家の見解
飲食業界アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「ワタミの豊富な外食事業経験とサブウェイのブランド力、そしてマスターフランチャイズ契約によるFC展開の加速が相乗効果を生み出す可能性は高い」と分析しています。しかし、競争の激しいファストフード業界で勝ち抜くためには、更なる差別化戦略が必要となるでしょう。
まとめ
ワタミによるサブウェイ買収は、同社にとって大きな転換点となるでしょう。3000店舗体制という高い目標を掲げ、今後の展開に期待が高まります。果たして「サブウェイのワタミ」は誕生するのでしょうか?今後の動向に目が離せません。