兵庫県知事選(2024年11月17日投開票)は、7人の候補者による激しい選挙戦となっています。中でも注目を集めているのが、パワハラ疑惑で不信任を受け失職後、「出直し」で立候補した前知事の斎藤元彦氏です。失職直後は厳しい批判にさらされていた斎藤氏ですが、選挙戦が進むにつれ、街頭演説に耳を傾ける人が増えるなど、風向きが変わりつつあるようです。
SNS戦略でイメージ回復を狙う斎藤氏
失職後、斎藤氏はX(旧Twitter)での発信を再開。台風情報以外沈黙を守っていた8月以降とは異なり、9月26日の失職報告以降は、精力的に自身の活動を発信しています。特に注目すべきは、街頭演説の様子や支援者との交流を伝える写真や動画の投稿です。真剣な表情で政策を語る姿だけでなく、県民と握手を交わしたり、赤ちゃんに微笑みかけるなど、柔らかな表情のショットも積極的に発信することで、イメージ回復を図っているようです。
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さらに、斎藤元彦後援会による「さいとう元彦応援アカウント」も開設。本人アカウントとは異なる視点で、斎藤氏を応援する人々の声や、知事時代の業績などを発信することで、多角的な情報発信を展開しています。また、YouTubeチャンネルも開設し、インターネットを駆使した選挙活動に力を入れています。これらの積極的なSNS戦略は、若年層へのアピールだけでなく、幅広い層への情報発信に効果を発揮していると考えられます。
街頭演説に集まる聴衆の増加
告示後の3連休、斎藤氏は県内各地で街頭演説を行いました。Xに投稿された写真や動画を見ると、多くの聴衆が集まり、商業施設の2階から斎藤氏の演説を聞く人々の姿も見られます。失職直後、JR須磨駅前で1人街頭に立つ斎藤氏に立ち止まる人はいませんでした。しかし今では、演説を聞くために多くの人が集まり、その変化は明らかです。
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兵庫県議会最大会派の自民党と公明党は自主投票としていますが、読売新聞オンラインによると、自民党兵庫県連は斎藤氏の支援を容認する決定をしたと報じられています。この決定が、今後の選挙戦にどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。
斎藤氏の巻き返しなるか?
今回の兵庫県知事選は、斎藤氏を含め7人が立候補しています。前参議院議員の清水貴之氏、前兵庫県尼崎市長の稲村和美氏など、他の候補者も活発な選挙活動を展開しています。斎藤氏が失職からわずか数週間で支持を回復し、逆転勝利を収めることができるのか、今後の動向に注目が集まります。