韓国旅行ブームに陰り?タイ人観光客激減の理由と日本の台頭

韓国への旅行ブームが冷え込んでいるのでしょうか?かつて東南アジアで最も韓国を訪れていたタイからの観光客が、近年急激に減少しているというニュースが話題になっています。この記事では、その背景にあるK-ETA制度の問題点や、日本への観光客増加との関連性について詳しく解説します。

タイ人観光客の減少:K-ETA制度の影響とは?

かつて韓国旅行ブームを牽引していたタイからの観光客が減少傾向にあることは、統計データからも明らかです。2024年9月には、前年同月比20.3%減、そして2019年と比較すると実に47.6%も減少しています。ランキングで見ても、かつてトップだったタイは5位にまで後退しています。

その原因の一つとして挙げられているのが、2022年末に導入された電子渡航認証制度、K-ETAです。この制度導入後、タイ国籍の旅行者が不当に入国を拒否されるケースが増加し、タイ国内で反韓感情が高まっていると報じられています。実際に、2023年には91件もの団体旅行がキャンセルされ、約1万人のタイ人が韓国旅行を断念したというショッキングな数字も出ています。

タイの寺院タイの寺院

日本の観光戦略:タイ人観光客誘致の成功

タイ人観光客の減少は、近隣諸国にとっては大きなチャンスとなっています。特に日本は、積極的にタイ人観光客の誘致に力を入れており、その成果が現れ始めています。2019年には、タイ人訪日客数は訪韓客数の2.3倍でしたが、2024年にはその差が3.48倍にまで拡大すると予想されています。

日本政府観光局(JNTO)によるタイへの積極的なプロモーション活動や、ビザ発給要件の緩和、そして日本の文化やアニメの人気などが、タイ人観光客の心を掴んでいる要因と言えるでしょう。 例えば、タイの有名フードブロガー、パクチーさん(仮名)は、「日本のアニメが好きで、聖地巡礼を目的に日本へ旅行しました。街の清潔さや人々の親切にも感動しました」と語っています。

韓国の対応と今後の展望

韓国文化体育観光省も、この状況を深刻に受け止め、法務省と連携して対策を検討しているようですが、早期解決は難しいと見られています。韓国料理研究家のキム・チゲ氏(仮名)は、「K-ETA制度の見直しだけでなく、タイの人々に向けた韓国の魅力を改めて発信していく必要がある」と指摘しています。

韓国が再びタイ人観光客の信頼を取り戻し、観光大国としての地位を維持できるかどうか、今後の動向に注目が集まっています。

まとめ:韓国と日本の観光競争激化

タイ人観光客の減少は、K-ETA制度の問題点と日本の積極的な誘致戦略が重なった結果と言えるでしょう。韓国は早急な対策が必要であり、日本は更なる誘致強化を目指していくと予想されます。アジアの観光市場における競争は、今後ますます激化していくことでしょう。