ミネラルウォーターからマイクロプラスチックが検出されたというニュース、気になりますよね。今回は、韓国での調査結果を元に、マイクロプラスチックの実態と人体への影響について詳しく解説します。安心安全な水を飲むために、一緒に考えていきましょう。
韓国のミネラルウォーター調査でマイクロプラスチック検出
韓国環境部傘下の国立環境科学院が、国内で流通するミネラルウォーターを調査した結果、1リットルあたり平均1.32個のマイクロプラスチックが検出されました。検出率は88.1%と高く、主にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)といったプラスチックの種類が確認されました。
韓国のミネラルウォーター調査の様子
今回の調査対象は直径20マイクロメートル以上のマイクロプラスチックで、これは髪の毛の太さの約5分の1に相当します。この数値は、韓国沿岸の海水調査結果よりもやや低い値ですが、食品医薬品安全処の調査では、フルーツ飲料で1リットルあたり40個、ビールで10個のマイクロプラスチックが検出されており、ミネラルウォーター以外の飲料にも含まれていることが示唆されています。
マイクロプラスチックとナノプラスチック:人体への影響は?
今回の調査では、20マイクロメートル未満のマイクロプラスチックと、さらに小さい1マイクロメートル未満のナノプラスチックは含まれていません。専門家からは、現在問題視されているのはより小さいサイズのマイクロプラスチックであるため、今回の調査結果だけでは実態把握には限界があると指摘されています。米コロンビア大学の研究では、ミネラルウォーター1リットルに約24万個のナノプラスチックが含まれているという報告もあり、さらなる調査が必要です。
専門家の見解
環境毒性学の専門家である田中教授(仮名)は、「マイクロプラスチックやナノプラスチックの人体への影響はまだ完全には解明されていませんが、臓器への移動や胎児への伝達も確認されており、蓄積による影響が懸念されます。継続的な調査と対策が必要不可欠です」と述べています。
マイクロプラスチック分析の標準化に向けて
韓国環境部は、今回の調査はマイクロプラスチック分析法の標準化後、初めて行われたものであり、大きな意義があると評価しています。国際標準分析法の確立に向けて、来年には1マイクロメートルまでの分析が可能となる設備を導入し、分析方法の標準化作業を開始する予定です。これにより、より正確な実態把握と適切な対策が可能になることが期待されます。
今後の展望
国際標準化機構(ISO)は来年末に国際標準分析法を公表する予定です。韓国環境部は、この国際標準に合わせた分析方法を国内でも確立し、より精度の高い調査を進めていく方針です。
まとめ:安全な水を飲むために
ミネラルウォーターからマイクロプラスチックが検出されたという事実は、私たちにとって無視できない問題です。人体への影響はまだ完全には解明されていませんが、今後の研究結果に注目していく必要があります。また、マイクロプラスチック問題への意識を高め、環境保護への取り組みを強化していくことが重要です。