【バンコク共同】タイの憲法裁判所は1日、カンボジアとの国境対立を巡って同国有力者との電話会談でタイ軍高官を批判したペートンタン首相に対し、同日付で職務停止を命じた。解職に相当する行為か否かを判断する間の措置としている。タクシン元首相の次女で、タクシン派主導の連立政権を率いてきたペートンタン氏への辞任圧力はさらに強まりそうで、タイの政治的混乱が深まった。
ペートンタン氏は同日、記者団に「不快に感じ怒りを覚えたタイ国民におわびしたい」と述べた上で、憲法裁には「国家の主権を守るため」の交渉だったと主張すると強調した。
職務停止命令に先立ち1日、ペートンタン改造内閣の名簿が王室の承認を経て公示され、3日に改造内閣が発足する運びとなった。副首相が暫定的に政権を率い、ペートンタン氏は文化相として閣内に残る見通し。
上院議員の一部が電話会談でのペートンタン氏の発言は倫理規定に反しているなどと訴え、憲法裁に解職請求を提出していた。