タイ憲法裁、首相の職務停止 軍批判巡る失職請求審理へ


[バンコク 1日 ロイター] – タイの憲法裁判所は1日、同国軍を批判する発言を巡りペートンタン首相の失職を求める請願を受理し、判決言い渡しまでの期間、首相の職務停止を命じた。

問題となったのは、ペートンタン氏が国境問題で対立するカンボジアの事実上の最高権力者であるフン・セン氏と行った6月15日の電話会談。会談内容が流出し、ペートンタン氏がフン・セン氏にへりくだった態度を取り、タイ軍高官を批判したことが判明し、政界、国民から反発の声が上がった。ペートンタン氏は、自身の発言を謝罪し、交渉戦術だったと釈明していた。

上院議員36人が同氏の首相失職請願を憲法裁に提出。憲法裁は「請願を検討し、この事案を審理対象として受理する」と表明した。ペートンタン氏は15日間の申し立て期間が与えられる。

スリヤ・ジュンルンルアンキット副首相が首相職を代行する。

<就任10カ月、数々の試練>

軍が強い影響力を持つタイで、軍司令官を批判することはご法度。国民の反発も強い。

ペートンタン氏は、タイで史上最年少の首相に昨年8月に就任した。しかし政治の素人である同氏はさまざまな試練に直面。経済の立て直しも思うように進められず支持率は低下。前週末発表の世論調査では、3月に30.9%だった支持率が9.2%にまで落ち込んだ。

今回の問題でペートンタン氏の苦境はより深刻になった。すでに「タイの誇り党」が連立政権から離脱。議会は近く不信任決議を審議・採決する見通しだ。



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