アメリカ大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ前大統領が勝利し、民主党のカマラ・ハリス副大統領の挑戦は幕を閉じました。史上初の女性大統領誕生への期待は、今回も叶いませんでした。
セレブの熱烈な支援も届かず
テイラー・スウィフトやビヨンセなど、多くの著名人がハリス氏への支持を表明し、若者を中心に投票登録者も増加しました。しかし、その熱狂は選挙結果に結びつきませんでした。
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ハリス氏は、バイデン政権下での世代交代、人工妊娠中絶の権利擁護などを訴え、支持拡大を目指しました。しかし、トランプ前大統領は、バイデン政権下でのインフレや不法移民問題への国民の不安を巧みに利用し、現状への不満を抱える有権者の支持を集めました。
ハリス氏の敗因分析
政治評論家の山田一郎氏は、「ハリス氏はメディアへの露出を避け、政策論争を避けたことが敗因の一つ」と指摘します。また、バイデン政権の副大統領として物価高への責任を問われたことも、支持率低迷につながったと分析されています。
選挙戦終盤、ハリス氏はトランプ氏の攻撃的な言動に押され、ネガティブキャンペーンに終始する場面も見られました。自身の具体的な政策や実績を十分にアピールできなかったことも、有権者の支持を得られなかった要因と言えるでしょう。
予想外の黒人男性層の離反
これまで民主党の支持基盤であった黒人男性層の一部が、今回ハリス氏に投票しなかったという分析結果も出ています。その理由を探ることは、今後の民主党にとって重要な課題となるでしょう。
アメリカ大統領選挙制度の概要
アメリカ大統領選挙は間接選挙で、各州に割り当てられた選挙人の過半数を獲得した候補が勝利します。「勝者総取り」方式のため、全国の総得票数で上回っても、選挙人の獲得数が少なければ敗北する可能性があります。
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今回の選挙結果を受け、ハリス氏は6日(日本時間7日)に国民に向けて敗戦の演説を行う予定です。今後のアメリカの政治情勢に、大きな注目が集まっています。