日本のアニメは今や世界的な現象となっています。ブエノスアイレスで行われた鳥山明氏の追悼イベントでのベジータのコスプレをする少年の姿からも、その人気が世界中に広がっていることが実感できます。
ベジータのコスプレをする少年
10月から世界同時配信が開始された『ドラゴンボールDAIMA』を例に、日本アニメの世界市場での快進撃の鍵を探ります。
国内ファンを大切にする姿勢
2018年、石破茂氏が魔人ブウのコスプレをしたことが話題になりました。一見ニッチな選択に見えますが、世界中に多くのファンを持つ『ドラゴンボール』だからこそ、日本の文化的な力を示す象徴的な出来事となりました。
魔人ブウのコスプレをした石破茂氏これは、日本アニメが世界で成功している理由の一つ、つまり「国内ファンを第一に考えて作品作りをする姿勢」を象徴していると言えるでしょう。アニメ評論家の佐藤健氏（仮名）は、「日本のアニメは、まず国内のファンを満足させるために作られています。その結果、作品の高いクオリティが世界中のファンを魅了しているのです。」と述べています。
急成長を続ける海外アニメ市場
世界のアニメファンは8億人、まもなく10億人に達すると予測されています。これはテニスファンの数に匹敵する規模です。海外のアニメ市場は既に国内市場とほぼ同規模で、さらに成長を続けています。
クランチロールなどの動画配信サービスの普及も、世界的なアニメ人気を後押ししています。クランチロールは1400本以上のアニメを200以上の国と地域に配信し、ソニーはこれを自社コンテンツの世界展開の足掛かりにしようとしています。ネットフリックスなどの競合他社も、多くの日本アニメを配信しています。
コロナ禍で他のエンタメコンテンツの勢いが衰える中、日本アニメへの需要は2022年から増加し続けています。帝国データバンクによると、2023年のアニメ制作業界の売上は前年比23%増で過去最高を記録しました。
ジェフリーズのアナリストは、2023年に312億ドルだった世界のアニメ市場が2030年には600億ドルに達すると予測しています。かつて日本独自の文化だったアニメは、今や世界的なカルチャージャンルへと進化を遂げているのです。
日本アニメの未来
日本アニメの海外市場は拡大の一途を辿っています。今後の課題は、この成長をどのように持続可能なものにするか、そして日本のアニメ文化をどのように守っていくかです。国内ファンのニーズに応え続けることで、高品質な作品を生み出し、世界中のファンを魅了し続けることが、日本アニメの未来を切り開く鍵となるでしょう。
