少年空手大会で衝撃の反則劇、後頭部への蹴りで選手負傷、波紋広がる

少年空手大会で起きたある事件が波紋を広げている。試合中、選手が後ろを向いた対戦相手の後頭部を蹴り、負傷させるという衝撃的な出来事が発生したのだ。SNSに投稿された動画は瞬く間に拡散され、セコンドの指示や審判の対応に批判の声が上がっている。一体何が起きたのか、関係者への取材を通して真相に迫る。

後ろ蹴りで相手選手がうずくまる、動画拡散で批判殺到

11月7日、小学生のフルコンタクト空手大会で起きたある試合の動画がX(旧Twitter)に投稿され、大きな波紋を呼んでいる。動画には、組み合った後の攻防で、一方の選手(A選手)が後ろを向いた瞬間、もう一方の選手(B選手)がA選手の後頭部を蹴る様子が捉えられていた。蹴られたA選手はうずくまり、観客からは驚きの声が上がる。この動画は1000万回以上再生され、まとめサイトなどにも取り上げられ、拡散している。

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動画投稿者からは、B選手のセコンドが「行け~!」と技をかけるよう指示を出し、審判も適切に対応しなかったとして批判の声が上がっている。J-CASTニュース編集部は、関係各所に取材を行い、事実関係の確認を進めた。

B選手側の主張:勢いで蹴ってしまった、悪気はなかった

B選手が所属する道場の代表は、J-CASTニュースの取材に対し、「審判は試合を止めていなかった。B選手が上段回し蹴りのモーションに入ったところで、A選手が突然後ろを向いたため、勢いで蹴ってしまった」と説明。後ろを向いた相手を蹴ることは問題であり、基本的には行わない行為だとしながらも、セコンドは審判が試合を止めていないと判断し、「行け~!」と指示を出したと主張。B選手やセコンドに悪気はなかったとしている。

B選手側は、A選手側の道場代表や親に謝罪し、病院代も負担する意向を示している。

A選手側の主張:頸椎捻挫で全治3週間、後遺症の不安も

一方、蹴られたA選手が所属する道場の代表は、A選手が頸椎捻挫で救急搬送され、全治3週間の診断を受けたと明らかにした。後遺症が残る可能性についても不安を表明している。

A選手がなぜ後ろを向いたのか、審判の対応はどうだったのかなど、詳細については「色々なことがあって、まだ整理できていない」として、現時点ではコメントを控えている。

大会主催者側の主張:A選手が自ら後ろを向き、B選手は反則負け

大会を主催した道場の代表は、審判に確認したところ、試合は止められていなかったと説明。A選手は顔面を打たれたとして減点1をアピールするためにセコンドの方を向いたのではないかと推測している。また、通常は「止め」の指示が出てから後ろを向くべきだが、A選手の行動はルールに則っていなかったとの見解を示した。審判が手を出したのはB選手を止めようとしたためだが、間に合わなかったと説明している。

B選手は後ろから蹴った行為が反則とみなされ、反則負けとなった。救急車の要請や救護対応については、問題なく行われたとしている。

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今回の事件は、少年スポーツにおける安全管理や指導者の責任、審判の判断など、様々な課題を浮き彫りにした。今後の大会運営における再発防止策の徹底が求められる。