後悔しない高齢期のために:「医者の言うこと聞きすぎ」が招く終末期の虚無感

「働きすぎなければよかった」「もっと家族と旅行を」――高齢者専門の精神科医、和田秀樹氏が耳にしてきた死の直前の高齢者の後悔。特に高齢者の後悔に多いのが、健康のために「医者の言うことを聞きすぎた」という声です。本稿では、その背景にある終末期の虚無感と、充実した高齢期を送るための視点を探ります。

高齢期に健康のために我慢しすぎるのは良くない高齢期に健康のために我慢しすぎるのは良くない

「医者の言うことを聞きすぎた」という後悔の真実

「医者に言われ我慢し節制してきたのに、大して長生きできなかった」。これは終末期の患者さんから聞かれる共通の後悔です。若い頃から真面目に健康を律し、医師の言葉を信じて禁酒、禁煙、食事制限などを徹底してきたにもかかわらず、病気を防げず、思い描いた健康で長生きな老後が手に入らなかったケースは少なくありません。

そうした人々は、「あんなに我慢した意味があっただろうか」という虚しさを抱えています。特に、医師や家族の言うことを真面目に守ってきた人ほど、節制の代償として失ったものへの後悔が強い傾向にあります。結局、死は避けられない現実を前に、これまでの努力が無意味に感じられてしまうのです。

小さな楽しみがもたらす「人生の満足度」

お酒が好きな人にとっての晩酌、甘いものが好きな人にとってのデザート。これらは日々の暮らしに潤いを与える格別の時間です。しかし、健康のためと称してこうした「ちょっとした楽しみ」を失ってしまうと、日々の暮らしの満足度は大きく低下します。

長寿だけを追求し、人生の質(QOL)を犠牲にする生き方は、高齢期の楽しみを奪い、味気ないものにしてしまいかねません。病気予防の節制も重要ですが、心の豊かさや日々の喜びも、充実した老後には不可欠な要素です。

結論

高齢期を後悔なく充実して過ごすためには、健康を意識しつつも、人生の「小さな喜び」を大切にするバランス感覚が重要です。過度な節制がもたらす虚無感を避け、自分らしい豊かな終末期を迎えるための選択肢を考える時期に来ています。


出典: https://news.yahoo.co.jp/articles/da1178d629179a314abd9b5fe4590ac63cdfe092