ディズニーリゾートの新たな試み、それが富裕層向けの新パス「ライトニングレーン・プレミアパス」。夢の国へのアクセスにも経済格差が影響するのか、その是非を問う声が上がっています。
新パスの概要と波紋
アメリカのディズニーリゾート
アメリカ・ディズニーリゾートで導入された新パス「ライトニングレーン・プレミアパス」は、待ち時間の大幅短縮と多くのアトラクションへのアクセスを可能にする一方で、指定ホテル宿泊客限定かつ最大7万円という高価格設定が物議を醸しています。
インターネット上では「夢の国にも格差社会…」「庶民切り捨て戦略?」といった批判が噴出。CEOのボブ・アイガー氏も価格設定の行き過ぎを認めるコメントを発表する事態となりました。
日本では、百貨店やホテル、タワーマンションなど、富裕層をターゲットにしたビジネスが盛んですが、ディズニーリゾートもこの流れに追随するのでしょうか。
経済評論家の見解:経済合理性は高いが…
新パスが物議
経済評論家の鈴木貴博氏は、新パスの高価格設定について経済合理性の観点から一定の理解を示しています。人気アトラクションの入場制限と需要増加を考慮すれば、価格上昇は必然であり、MLBやワールドカップのチケット高騰と同様の現象だと指摘。
一方で、この行き過ぎた価格設定が抱えるパラドックスと課題についても議論の必要性を訴えています。
日本のディズニーリゾートのチケット価格については、円建てでは上昇しているものの、ドル建てでは横ばいであることを説明。これはオリエンタルランドがディズニー本社との交渉で価格上昇を抑えているためだと分析。しかし、ディズニー全体としては富裕層重視の戦略にシフトしていることを示唆しました。
さらに、待ち時間短縮による来場者の行動変化と経済効果にも言及。待ち時間が減れば、お土産や飲食への消費が増加し、パーク全体の売上向上につながるとの見解を示しています。入場者数を制限し、待ち時間を減らすことで売上を最大化するのが、ディズニーにとっての最適解だと主張しています。
まとめ
今回の新パス導入は、ディズニーリゾートの価格戦略における転換点となる可能性があります。夢の国へのアクセスにも経済格差が影響するのか、今後の動向に注目が集まります。