Netflixで話題沸騰中のドキュメンタリー「地面師たち」は、土地所有者になりすまし土地を売却する地面師たちの驚くべき実態を描いています。終戦直後の混乱期から現代に至るまで、彼らは巧妙化する手口で巨額の利益を上げてきました。この記事では、ノンフィクション作家・森功氏の著書『地面師』を参考に、その驚愕の実態と最新の手口に迫ります。
還元水と地面師の接点：なりすまし犯の告白
元高校教師という経歴を持つなりすまし犯の松本敬三
2018年、赤坂・溜池のアパホテル地面師事件の公判で、なりすまし役の一人、松本敬三への取材が実現しました。小柄で細身の87歳の彼は、意外なことに「還元水を作る機械の本を書いていたことが地面師グループとの出会いだった」と語り始めました。弁護士は「そんな話では詐欺師呼ばわりされるだけだ」と制止しましたが、松本は真剣な様子でした。元高校教師という経歴を持つ松本は、物理の知識を活かして還元水生成機に関わっていたといいます。還元水ビジネスは一時期ブームとなりましたが、詐欺まがいの業者も横行し、現在では下火になっています。果たして、還元水と地面師グループの間にはどのような繋がりがあったのでしょうか？
事件の真相：地面師グループとの出会い
地面師グループとの出会いについて語る松本敬三
松本は、還元水生成機の販売を通じて地面師グループと知り合ったと主張しました。「高校で物理を教えていたので、理論には詳しい」と語る松本。しかし、弁護士は彼の話を信用していませんでした。還元水の話は事件とは直接関係ないものの、地面師グループとの接点となった重要な出来事でした。年齢によるものか、記憶が曖昧な部分もある一方で、鮮明に覚えている部分もある松本。彼の証言から、地面師グループの実態が少しずつ明らかになっていきます。
巧妙化する手口：現代の地面師たち
地面師事件の舞台となった土地
終戦直後、書類の焼失や人員不足に乗じて暗躍し始めた地面師たち。80年経った現在、彼らの手口はさらに巧妙化し、警察や不動産業界を翻弄しています。「地面師」事件は、社会の隙を突く犯罪の巧妙さと恐ろしさを改めて私たちに突きつけています。専門家の中には、「高度な情報収集能力と組織的な犯行が特徴で、近年では偽造技術も向上しているため、より一層の警戒が必要」と指摘する声も上がっています。
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