ウクライナ東部ドネツク州の激戦地、ビロホリウカ近郊で、ロシア軍の拙劣な作戦指揮が露呈し、大きな損害を被ったと報じられています。今回は、この衝撃的な出来事について詳しく解説し、今後の戦況への影響を分析します。
事前の砲撃なしの突撃、壊滅的結果に
11月2日、ロシア軍第123自動車化狙撃旅団は、ウクライナ軍第10独立山岳強襲旅団の陣地に対し、驚くべきことに事前の砲撃支援なしで突撃を敢行しました。通常、攻撃に先立ち砲兵部隊による敵陣への砲撃は不可欠ですが、この基本的な手順が省略された理由は未だ不明です。
ウクライナ軍の対戦車ミサイル
待ち伏せしていたウクライナ軍は、接近してくるロシア軍のBMP歩兵戦闘車や戦車に対し、ウクライナ製のストゥーフナ-P対戦車ミサイルや爆弾搭載ドローンで猛攻撃を仕掛けました。結果、ロシア軍は戦車6両、BMP9両を失い、少なくとも19人が死亡、23人が負傷するという壊滅的な打撃を受けました。
軍事アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「事前の砲撃なしでの突撃は、自殺行為に等しい。ロシア軍指揮官の判断ミスが、多くの兵士の命を危険にさらした」と指摘しています。
指揮官の責任は?
この失態を受け、ロシア国内からも批判の声が上がっています。軍事ブロガーたちは、指揮官の無能さと兵士の命を軽視する姿勢を糾弾し、責任追及を求めています。しかし、これまでのところ、責任を問われた指揮官はいない模様です。
「ロシア軍の指揮系統には、深刻な問題がある」と語るのは、国際安全保障専門家の佐藤恵子氏(仮名)。彼女は、「指揮官が無能であっても処罰されないため、兵士の命が軽んじられている」と指摘し、抜本的な改革の必要性を訴えています。
破壊されたロシア軍の車両
今後の戦況への影響は?
ビロホリウカからシベルシク南郊ブイームカに向かう戦線は、ロシア軍にとって重要な戦略拠点です。しかし、今回の失態により、ロシア軍の進軍は停滞し、今後の作戦に大きな影響を与える可能性があります。
ロシア軍の士気低下も懸念されます。度重なる作戦の失敗と指揮官への不信感は、兵士たちの戦意を喪失させかねません。
今回の事件は、ウクライナ戦争におけるロシア軍の現状を浮き彫りにしました。拙劣な指揮、兵士の軽視、そして責任の不在。これらの問題が解決されない限り、ロシア軍は更なる苦戦を強いられるでしょう。