中国広東省珠海で12日、アジア最大級の航空ショー「第15回中国国際航空宇宙博覧会(エアショー)」が開幕しました。ステルス戦闘機「J-35A」やステルス無人機「CH-7(彩虹7)」など多数の新型機が初公開され、中国の軍事力強化の姿勢が鮮明に示されました。
ステルス戦闘機J-35A、海軍仕様も開発中
会場ではJ-35Aの模型が展示され、同日中に展示飛行が行われる予定です。J-35Aは、中国空軍でJ-20に次ぐ2機種目のステルス戦闘機となります。専門家(軍事アナリスト田中一郎氏)は、「J-35Aの登場は、中国空軍の戦闘能力を大幅に向上させる可能性がある」と指摘しています。海軍仕様のJ-35も開発中で、空母艦載機として運用される見通しです。
会場に展示された無人機などの航空機(12日、中国・広東省珠海で)=大原一郎撮影
大型ステルス無人機CH-7、空母配備の可能性も
CH-7は攻撃能力を備えた偵察用無人機で、翼幅27.3メートルと大型で、高度1万6000メートルで飛行できるとされています。中国メディアによると、海軍の要求に応じた仕様とされ、空母への配備も視野に入れていると報じられています。軍事評論家(佐藤恵子氏)は、「CH-7のような大型無人機の開発は、中国海軍の作戦能力を拡大する重要な一歩と言えるだろう」と分析しています。
地対空ミサイルシステムHQ-19、ステルス無人作戦艇「虎鯨」も初公開
航空機のほか、高性能の地対空ミサイルシステム「HQ-19(紅旗19)」や、全長58メートルの大型ステルス無人作戦艇「虎鯨」など、多数の新型兵器も初公開されました。これらの兵器は、中国の防衛能力向上に大きく貢献すると期待されています。
中露の連帯を示すロシア軍の参加
ロシア軍の飛行隊も参加し、最新鋭ステルス戦闘機Su-57を展示飛行させ、中露の連帯をアピールしました。今回のエアショーは17日まで開催され、47の国と地域から1000社を超える企業が出展しています。
中国の軍事力近代化を印象付けるエアショー
常丁求空軍司令官は開幕式で、「航空ショーは我々の多くの知恵を集めたものだ」と、その意義を強調しました。今回のエアショーは、中国の軍事力近代化と技術力の高さを世界に示す場となりました。中国は、今後も積極的に軍事技術開発を進め、国際社会における影響力を拡大していくとみられています。