北朝鮮で来年1月に開催される迎春公演に、日本の朝鮮学校の児童生徒約100名が5年ぶりに参加することが明らかになりました。平壌で行われるこの公演は、金正恩朝鮮労働党総書記を称賛する内容を含むこともあり、過去には生徒の参加に対して批判的な意見も出ていました。新型コロナウイルスの影響で中断されていた訪朝が再開される一方で、朝鮮総連内部では韓国敵視政策やウクライナ侵攻への派兵などを巡る混乱も reportedされており、今回の訪朝は様々な波紋を広げそうです。
伝統の迎春公演と5年ぶりの再開
北朝鮮において最重要行事の一つとされる迎春公演。これまで日本の朝鮮学校の児童生徒は「在日朝鮮学生少年芸術団」として参加し、歌劇や楽器演奏などを披露してきました。コロナ禍で訪朝が見送られていましたが、今回、小学校に当たる朝鮮初級学校と中学校に当たる中級学校の生徒約100名が、京都朝鮮中高級学校の校長らの引率で今月中旬に北朝鮮を訪問、公演に向けた練習を開始する予定です。公演には金正恩氏が参列する可能性もあるとされています。
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携帯電話持ち込み禁止、現金持参は報告義務:朝鮮総連の指示
朝鮮総連は各学校に対し、日本や韓国の動画などが保存されている可能性があるとして携帯電話の持ち込みを禁止するよう指示しています。また、北朝鮮にいる家族や親戚に渡す現金を持参する場合は、事前に学校に報告するよう求めているとのことです。
過去の公演内容と大阪府の補助金見送り
過去の迎春公演では、生徒が「元帥さまだけを最後まで信じて従う愛国の柱に強く育ちます」などと誓う場面が朝鮮中央テレビで放映され、問題視されました。大阪府はこれを理由に補助金支給を見送ったこともあります。
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朝鮮半島情勢とウクライナ侵攻の影響:朝鮮総連内部の混乱
北朝鮮は先月、韓国を「敵対国家」と定めた憲法に基づき、南北を結ぶ道路や鉄道を爆破しました。朝鮮総連の内情に詳しい関係者によると、これまで統一教育を行ってきた朝鮮学校では、この政策転換に対する混乱や反発が生じているとのことです。さらに、ウクライナへの派兵についても戸惑いの声が上がっているといいます。 日本の朝鮮学校に通う子どもたちは、朝鮮籍のほか、韓国籍や日本国籍を持つ生徒もいるため、複雑な状況に置かれています。
専門家の見解
国際情勢アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の訪朝は、朝鮮総連内部の複雑な状況を反映していると言えるでしょう。生徒たちの教育環境や将来にどのような影響を与えるのか、注視していく必要があります」と指摘しています。
まとめ
5年ぶりの迎春公演参加を巡り、朝鮮学校の生徒たちの訪朝が再開されます。しかし、朝鮮半島情勢の緊迫化やウクライナ侵攻の影響など、複雑な状況下での訪朝となるため、今後の動向が注目されます。