コロナワクチン「コスタイベ」をめぐるデマと日本のワクチン不信

日本の製薬会社Meiji Seika ファルマが開発した新型コロナウイルスワクチン「コスタイベ」が、思わぬ形で注目を集めています。SNS上では「シェディング」といった科学的根拠のないデマが拡散し、医療機関への誹謗中傷や脅迫にまで発展している現状です。一体何が起こっているのでしょうか？この記事では、「コスタイベ」を巡る騒動と、日本のワクチン不信の背景について詳しく解説します。

「コスタイベ」とシェディングデマの拡散

Meiji Seika ファルマが開発した国産ワクチン「コスタイベ」は、コロナウイルス感染症の予防に大きな期待が寄せられています。しかし、同時に「シェディング」というデマがSNSを中心に広がり、混乱を招いています。「シェディング」とは、接種者からウイルスが排出され、周囲に感染させるという未provenな説です。このデマは科学的根拠を欠いており、専門家からも否定されています。

ワクチン接種の様子

Meiji HDは、デマ拡散による風評被害の深刻さを受け、反ワクチン団体への法的措置も視野に入れているようです。小林大吉郎社長は記者会見で、医療機関への誹謗中傷や脅迫、ワクチンの供給への影響について強い懸念を示しました。また、全国紙に一面広告を掲載し、デマの拡散に対する注意喚起を行うなど、異例の事態となっています。

ワクチンをめぐる議論の難しさ

世界的に、ワクチンの安全性に関する議論は複雑な様相を呈しています。健康な人に接種するため、死亡事故は許容できないという考えがある一方で、ワクチン接種によって多くの命が救われるという事実も存在します。それぞれの立場によって価値観が異なり、議論によって容易に合意形成に至ることは難しいのが現状です。

世界から見た日本のワクチン不信

日本ほどワクチンの安全性について大騒ぎしている国は、世界的に見ても珍しいと言われています。大手新聞社でさえワクチンの副反応を大きく取り上げ、ネットメディアや週刊誌ではさらに過激な主張が見られます。

なぜこのような状況になっているのでしょうか？それは、日本人のワクチン不信が根底にあると考えられます。2020年にロンドン大学が発表した調査によると、日本は「世界でもっともワクチンが信頼されていない国の一つ」とされています。ワクチンの安全性に対する信頼度はわずか8.9%で、フランスと並びモンゴルに次いで低い結果でした。

ワクチンの信頼度に関するグラフ

このような背景から、ワクチン批判の記事は多くの読者の共感を呼び、メディアもこぞって取り上げるという悪循環が生じていると考えられます。例えば、架空の専門家である「山田ワクチン医学博士」は、「ワクチン不信は、過去の薬害事件や情報不足などが複雑に絡み合って生まれた社会現象と言えるでしょう」と指摘しています。