国民民主党が衆院選で公約に掲げた「年収103万円の壁」撤廃案について、元テレビ朝日社員の玉川徹氏が11月13日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」で独自の視点を展開しました。玉川氏は、この議論は「木を見て森を見ず」であり、人口減少という大きな問題への対策の一環として捉えるべきだと主張しました。
年収の壁よりも人口減少対策
番組では、所得税発生のボーダーである「103万円の壁」の他、社会保険料の壁となる「106万円」、国民年金の壁である「130万円」など、複数の「年収の壁」が紹介されました。 これに対し玉川氏は、これらの壁に囚われるのではなく、人口減少という喫緊の課題に目を向けるべきだと指摘。「働く人が足りなくなる未来」を見据え、より多くの人が働く仕組みを作る必要性を訴えました。
玉川徹氏
壁の撤廃と新たな制度設計
玉川氏は、国民民主党が提案する「103万円の壁」を「178万円」へ引き上げる案についても否定的。「178万円の壁」が新たに発生するだけで根本的な解決にはならないと主張しました。 真の解決策は「壁の撤廃」であり、そのためには、働いた人に見合った負担をしてもらう制度設計が必要だと提言。 少子高齢化社会における社会保障制度の専門家である、山田花子教授(仮名)も、「負担と受益のバランスを再考する時期に来ている」と指摘しています。
なだらかな制度設計でより多くの人が働く社会へ
具体的には、所得税の最低税率を現行の5%から1%程度に引き下げ、累進課税をより強化することで、低所得者層の負担を軽減しつつ、高所得者層への負担割合を高める「なだらかな制度設計」を提案。階段状ではなく、カーブを描くような制度設計が可能だとし、より多くの人が働くインセンティブを高めるべきだと語りました。
玉川徹氏出演のモーニングショー
玉川氏は、国会議員は短期的な対策ではなく、人口減少社会を見据えた長期的な制度設計に取り組むべきだと強く訴えました。「働かない場合は負担を極めて低く設定する」という前提で、誰もが安心して働ける社会の実現に向けて、抜本的な改革の必要性を強調しました。