大阪府教育委員会の水野達朗教育長は、民間企業の経営者、大東市教育長を経て、異色の経歴を持つ45歳。都道府県教育長としては異例の若さで、大阪府の教育改革に挑んでいます。この記事では、水野教育長の改革への情熱、具体的な取り組み、そして大阪府教育の未来像を探ります。
民間出身の教育長が目指す、新しい教育のかたち
水野教育長は、民間企業の経営者、そして大東市教育長という異色の経歴を経て、大阪府教育委員会のトップに就任しました。60代が主流の市町村教育長、そして高校教員出身者がほとんどを占める都道府県教育長の中で、40代、民間出身、さらに同一エリア内での市町村教育長経験を持つ水野氏の存在は、まさに異例と言えるでしょう。
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大東市と大阪府では、教育委員会の規模も予算も大きく異なります。大東市教育委員会は約80名、年間予算は約55億円であるのに対し、大阪府教育委員会は約800名、年間予算は約5600億円と、桁違いの規模です。水野教育長は、この規模の違いを踏まえ、マネジメント手法も変える必要があると認識しています。大東市では小回りの良さとスピード感を重視していましたが、大阪府ではより大きな影響力を活かした改革を目指しています。
「最初の100日」で組織改革に着手
就任直後、水野教育長は「最初の100日をめちゃ大事にする!」と宣言。組織の課題を把握するため、職員との対話を重視し、現場の声に耳を傾けました。そして、9月には、大阪府教育委員会のワークポリシーを策定し、全課長に伝えました。
ワークポリシーの3つの柱
水野教育長が掲げるワークポリシーは、以下の3つの柱から成り立っています。
- 各課連携の強化: 各課が連携することで、より効果的な教育施策を実現できると考えています。
- 魅せ方の工夫: 職員の素晴らしい取り組みを、府民により分かりやすく伝え、共感を広げるためのプロモーション活動の強化です。
- ワクワク仕事: 正確かつ迅速な業務遂行に加え、職員自身が仕事にワクワクすることで、子どもたちに夢を与える教育を生み出せると信じています。
教育評論家の山田一郎氏(仮名)は、「職員のモチベーション向上と、府民への情報発信強化は、教育改革を成功させるための重要な要素です。水野教育長の取り組みは、その点をしっかりと捉えていると言えるでしょう。」と高く評価しています。
府立高校入試制度改革への挑戦
水野教育長は、約200校の高校・支援学校等を所管する立場から、特に高校生の学びに焦点を当て、改革を進めています。その中でも注目されているのが、府立高校入試制度改革です。
大阪府教育の未来に向けて
水野教育長の挑戦は、始まったばかりです。民間出身ならではの視点と、現場の声を大切にする姿勢で、大阪府の教育は新たなステージへと進もうとしています。今後の展開に、大きな期待が寄せられています。