JR横浜駅で2024年11月7日夜、旧塗装のE217系電車を撮影しようと多くの鉄道ファン(撮り鉄)が集まり、駅員との間でトラブルが発生しました。この出来事をきっかけに、撮り鉄のマナー問題が再び注目を集めています。
横浜駅での騒動:旧塗装E217系を巡る攻防
11月2日にイベントで披露された旧塗装のE217系。その姿を捉えようと、多くの撮り鉄が横浜駅に集結しました。しかし、一部の撮り鉄はホーム上で大声を出す、点字ブロックの外へはみ出すなど、周囲の安全を脅かす行為が見られました。駅員は安全確保のため、点字ブロックの内側に戻るよう繰り返しアナウンス。しかし、多くの撮り鉄は撮影を続け、指示に従いませんでした。
JR横須賀・総武線快速のE217系電車の旧塗装
事態を重く見た駅員は、最終的に「撮影ルールを守らない場合は、ハイビームで電車を運行する」と警告。これに対し、撮り鉄からは「ハイビームだと写真が綺麗に撮れない」といった反発の声が上がりました。
撮り鉄問題の深刻化:各地でトラブル発生
珍しい車両の撮影を巡り、撮り鉄と駅員や近隣住民とのトラブルは全国各地で後を絶ちません。中には線路内への侵入や、私有地への無断立ち入りといった違法行為に及ぶケースも報告されています。鉄道会社は対応に苦慮しており、より効果的な対策が求められています。
小田急電鉄の取り組み:試運転列車の表示変更
こうした状況を受け、小田急電鉄は独自の対策に乗り出しました。以前は試運転列車の行先表示に「試運転」と表示していましたが、これがかえって撮り鉄の注目を集めてしまい、トラブルを招く一因となっていました。そこで、2023年4月26日より、試運転列車の表示を「回送」などに変更。注目度を下げることで、トラブル発生のリスクを低減する狙いです。
小田急電鉄のロマンスカー
鉄道写真を楽しむことは素晴らしい趣味ですが、マナーを守り、周囲への配慮を忘れずに楽しむことが大切です。今回の横浜駅での騒動を教訓に、改めて撮り鉄のマナー向上と、鉄道会社による効果的な対策が求められています。
まとめ:安全な鉄道環境を目指して
撮り鉄によるトラブルは、鉄道会社だけでなく、他の乗客や近隣住民にも迷惑をかける深刻な問題です。鉄道会社は安全対策を強化する一方で、撮り鉄自身もマナー意識を高め、責任ある行動をとる必要があります。誰もが安心して鉄道を利用できる環境づくりのため、関係者全体の協力が不可欠です。