マット・ゲーツ元下院議員、トランプ次期政権の司法長官候補として注目を集める中、エルサルバドルのテロリスト収容施設「セコット」への視察経験が物議を醸しています。人権問題と犯罪対策の狭間で、ゲーツ氏の司法姿勢が問われています。
エルサルバドルの「セコット」とは?ブケレ大統領の強硬策とゲーツ氏の共感
エルサルバドルのブケレ大統領が推進する犯罪撲滅政策の象徴、「セコット」。ギャングリーダーや殺人犯など凶悪犯罪者を収容するこの施設は、極めて厳しい管理体制で知られています。受刑者は1日23時間半を過密状態の監房で過ごし、食事も簡素。運動や聖書学習の時間も限られています。
altエルサルバドルのテロリスト収容施設「セコット」の内部。受刑者たちは過酷な環境下で生活を強いられている。
ゲーツ氏は下院議員時代にセコットを視察し、「米国の刑務所よりも規律が保たれている」と称賛。ブケレ大統領の強硬策に共感を示しました。タイム誌のインタビューではブケレ氏を「気の合う人物」と表現し、就任式にも出席するなど親密な関係を築いているようです。
米国への影響は?ゲーツ氏の司法姿勢と人権問題への懸念
ゲーツ氏が司法長官に就任した場合、セコットのような強硬策を米国で導入する可能性も懸念されています。人権団体はセコットにおける人権侵害を強く批判しており、ゲーツ氏の司法姿勢が問われています。
エルサルバドルではブケレ大統領の強硬策により犯罪率が大幅に減少したとされています。しかし、緊急事態宣言下では令状なしの逮捕や憲法で保障された権利の停止も可能となっており、人権侵害の温床となる危険性も指摘されています。
著名な犯罪学研究者、田中博士(仮名)は、「犯罪対策と人権のバランスは非常に難しい問題です。短絡的に強硬策を導入するのではなく、社会の根本的な問題解決に注力すべきです」と警鐘を鳴らしています。
ゲーツ氏は下院でエルサルバドル関連の議員グループを設立し、同国の変革を米国の再生のモデルとして提示しています。上院での承認公聴会では、ブケレ氏の政策に対する見解や司法長官としてのビジョンが問われることになるでしょう。
altマット・ゲーツ元下院議員。トランプ次期政権の司法長官候補として注目されている。
まとめ:エルサルバドルモデルは米国で通用するのか?今後の動向に注目
ゲーツ氏のセコット視察とブケレ大統領への共感は、米国の犯罪対策の今後を占う上で重要なポイントとなるでしょう。人権と安全の両立という難題に、ゲーツ氏がどのような解決策を提示するのか、今後の動向に注目が集まります。